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清水寺と地主神社

  • tootake
  • 2 日前
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更新日:1 日前

第863話


清水寺は、京都市東山区清水1丁目にあります。西国三十三所第16番札所です。

日本で一番観光客が多い寺でしょう。


清水寺の創建については、清水寺縁起、今昔物語集、扶桑略記などに伝承が載せられています。草創縁起は次の通りです。


宝亀9年(778年)に大和国の興福寺の僧:賢心は、夢のお告げがあり、山城国愛宕郡八坂郷の東山、今の清水寺の地である音羽山に至った。金色の水流を見出した賢心がその源をたどっていくと、そこにはこの山に篭って滝行を行い千手観音を念じ続けている行叡居士という白衣の修行者*1)がいた。年齢200歳になるという行叡居士は賢心に「私はあなたが来るのを長年待っていた。自分はこれから東国へ旅立つので、後を頼む」といい残して去っていった。行叡は観音の化身であったと悟った賢心は、行叡が残していった霊木に千手観音像を刻み、行叡の旧庵に安置した。これが当寺の始まりであるという。また、行叡居士が滝行を行っていた滝は後に音羽の滝と呼ばれるようになった。

その2年後の宝亀11年(780年)に鹿を捕えようとして音羽山に入り込んだ坂上田村麻呂(*2)は、修行中の賢心に出会った。田村麻呂は妻の高子の病気平癒のため、薬になる鹿の生き血を求めてこの山に来たのであるが、延鎮より殺生の罪を説かれて観音に帰依(*3)し、観音像を祀るために自邸を本堂として寄進し、音羽の滝の清らかさにちなんで清水寺と名付けたという。後に征夷大将軍となり東国の蝦夷平定を命じられた田村麻呂は、自身が建立した清水寺に平定参拝をしたという。その後、若武者と老僧(観音の使者である毘沙門天と地蔵菩薩の化身)*の加勢を得て戦いに勝利し、無事に都に帰ることができた。延暦17年(798年)に田村麻呂は延鎮(御賢心改め)と協力して本堂を大規模に改築し、観音像の脇侍として毘沙門天と地蔵菩薩の像を造り、ともに祀ったという。清水寺では行叡を元祖、延鎮を開山、田村麻呂を本願と位置づけています。


*1)行叡居士という白衣の修行者は、このブログでたびたび登場する白髪の老人(翁)で即ちウツシコオです。齢200歳になるというのも武内宿祢と同じです。


*2)坂上田村麻呂は、第840話:hidemaru3375.com/post/坂上田村麻呂:田村神社で書いたように、坂上田村麻呂の伝説は、本当は台与の伝説だったというのが、私の考えです。ヤマトタケルシリーズや第835話:アテルイ(2):角塚古墳で書いたように、台与は東北にも赴いていたようです。そのことが、坂上田村麻呂が征夷大将軍を勤めて東北に赴いた姿と重なり、伝承として混同されていったようです。

日本各地に「清水寺」(きよみずでら、せいすいじ)を名乗る寺院が多数あり、中には坂上田村麻呂の開創ないし中興の伝説を有するものもあります。岩手県花巻市の音羽山清水寺は田村麻呂の開創を伝え、長野県山形村の慈眼山清水寺は田村麻呂の中興を伝え、この寺の千手観音像が京都にもたらされて東山の清水寺になったといいます。岐阜県加茂郡富加町の「白華山清水寺」は田村麻呂と延鎮による草創を伝えています。

*3)殺生の罪を説かれて観音に帰依というのは、第856話:行願寺と狩人 で、書いたように、狩猟者改心のモチーフです。


清水寺の境内には、地主神社があります。元々は、この地主神社があったことから清水寺が建てられたのです。地主神社の境内にある「恋占いの石」は原子物理学者ライル・ベンジャミン・ボースト英語版)による科学的な年代測定で、縄文時代のものであることが判明しています。地主神社の主祭神 は、 大国主命、素戔嗚命、奇稲田姫命、足摩乳命、手摩乳命(奇稲田姫命の父母神)~大国主、奇稲田姫命は台与です。

相殿 には、 大田大神(芸能と長寿の神)、乙羽竜神(旅行・交通安全の神)、思兼大神(知恵と才能の神)が祀られています。~大田大神はスサノオ(津田の王ウツシコオ(内色許男命)です。思兼大神はウツシコオ(内色許男命)の別名です。


そして、清水寺の境内には、弾力弁財天、高照弁財天が祀られているのも見逃せません。


で書いたアテルイの慰霊碑もありますが、これは、坂上田村麻呂の縁りによるもので、平安遷都1,200年を期して平成6年に建立されたものです。


これまでに書いた 西国三十三所の記事

(1)青岸渡寺 →第543話:熊野の神々は、、、 

(2)金剛宝寺(紀三井寺)→第590話:彦狭知(ヒコサチ)の物語2 

(3)粉河寺 →第768話:長髄彦と粉河寺~那賀郡

(4)施福寺→第850話:hidemaru3375.com/post/槇尾山-施福寺 

(5)葛井寺→ 第794話:葛井寺と王辰爾  (6)南法華寺(壺阪寺) → 第796話:壺阪寺と台与

(7)岡寺(龍蓋寺)→ 第795話:岡寺と台与(豊) 

(8)長谷寺 → 第666話:元伊勢(13)~長谷寺・與喜天満宮 

(9)興福寺 南円堂 → 第793話:空海(6):虚空菩薩 (10)三室戸寺 →第723話:三室戸寺~宇治(莵道)(11)醍醐寺 上醍醐准胝堂 →第855話:醍醐寺と白髪の老人(12)正法寺→岩間寺と狗奴国:塔の峰

(13)石山寺 →第857話:石山寺:石(岩)と金

(14)園城寺(三井寺 観音堂)→第860話 :園城寺(三井寺)

(15)今熊野観音寺→第861話:今熊野観音寺:熊野権現の出現伝説 (16)清水寺 (17)六波羅蜜寺

(18)六角堂→第519話:六角堂と平安京(頂法寺)

(19)革堂(行願寺)→第856話:行願寺と狩人 (20)善峯寺 →第859話:善峯寺と鷲尾寺

(21)穴太寺→第824話:穴太寺と穴太衆=土蜘蛛  (22)総持寺 →  第823話:総持寺幻想~大阪府茨木市

(23)勝尾寺→勝尾寺と三所権現 (24)中山寺 →第706話:中山寺・清荒神・売布神社~宝塚市

(25)播州清水寺 (26)一乗寺 (27)圓教寺 →第843話:弁慶 大物(だいもつ)・書写山

(28)成相寺 (29)松尾寺 (30)宝厳寺→第705話:竹生島神社・宝厳寺 ~琵琶湖 

(31)長命寺→ 第709話:hidemaru3375.com/post/長命寺:武内宿祢と聖徳太子 (32)観音正寺

(33)華厳寺→第725話:谷汲山(たにぐみさん):大口大領

 番外 元慶寺(山科)→第720話:毘沙門堂~京都市山科


       これまでの記事はこちらです。


※このブログは、御牧国(ミマキ国)が邪馬台国であるという前提の上で書いています。

・ミマキ国は、守口、寝屋川、茨木、吹田、高槻、枚方、交野です。

※このブログでは、魏志倭人伝:古事記・日本書紀の登場人物は三人だけとしています。

 ~古事記、日本書紀の作者(編纂者ではない)たちも魏志倭人伝しか資料がなかったのです。

記紀の登場人物をスサノオ(津田の王ウツシコオ(内色許男命)=難升米、卑弥呼=天照大神、台与(豊)に当てはめる作業をしているのです。

※台与とウツシコオのコンビとは、以下です。前者が台与です。

神武天皇と八咫烏、フツヌシとタケミカズチ、神功皇后 武内宿祢、応神天皇と武内宿祢、

アメノウズメと猿田彦、ニギハヤヒ(饒速日)とナガスネヒコ(長髄彦)

聖徳太子と蘇我馬子・秦河勝、五十猛(イタケル)とスサノオ(素戔嗚)

※台与(豊)は魏志倭人伝に書かれいる13歳で邪馬台国の大王(天皇)に即位した人物のことです。

※ウツシコオは魏志倭人伝に書かれている難升米のことです。

・今までのところ矛盾なくここまて書き続けています。矛盾している箇所があれば、その矛盾点をヒントとして次の記事としています。 


<目次>



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tootake
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<これまでウツシコオ(内色許男命)スサノオ(津田の王であることが判明した人物>


第374話:牛鹿臣はウツシコオ!   第371話:彦狭島命~吉備児島

第372話:建日方別:彦狭嶋命  第369話:神武西征~健磐龍命

第365話:君が代(2):君はウツシコオ   第363話:彦はすべて、ウツシコオ

第324話:武内宿禰はウツシコオ!!  第325話:天之日矛はウツシコオ

第326話:大日彦(オホヒヒ彦)~守口  第327話:于道朱君の衝撃~新羅

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