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穴太寺と穴太衆=土蜘蛛

  • tootake
  • 10月3日
  • 読了時間: 7分

更新日:10月12日

第824話


穴太寺は、京都府亀岡市曽我部町穴太東辻にあります。

西国三十三所第21番札所です。穴太寺観音縁起によれば、慶雲2年(705年)に文武天皇の勅願により大伴古麻呂によって開創されたとされています。


穴太寺の聖観音像は「身代わり観音」の伝説で知られています。この伝説は、今昔物語集に取り上げられていることから、平安時代末期には観音霊場としてすでに知られていたことがわかります。今昔物語集によると、「昔、丹波国桑田郡*の郡司をしていた男が都の仏師に依頼して聖観音像を造らせると、男は仏師に褒美として自分の大切にしていた名馬を与えた。しかし、与えた名馬が惜しくなった男は、家来に命じて仏師を弓矢で射て殺してしまった。ところが、後で確認すると仏師は健在で、聖観音像の胸に矢が刺さっていた。改心した男は仏道を信じるようになったという。」


また、安寿と厨子王丸の伝説に語られる厨子王丸肌守御本尊をこの穴太寺で祀っています。 2人が山椒太夫に捕らえられ、過酷な責めを受けた時、その苦しみを代わりに受けてくださった仏様といわれています。 安寿が厨子王丸を逃がし都へ上る途中、厨子王丸をかくまった寺の一つが穴太寺だったといわれ、のちに、厨子王丸はこの肌守御本尊を穴太寺に奉納し供養したと伝えられています。


穴太寺には、前回の書いた総持寺幻想~大阪府茨木市総持寺から京都縦貫道を使えばで1時間もかからない距離です。邪馬台国の時代には、京都縦貫道のかわりに保津川を使っていました。~第81話:三穂津姫尊(御保津姫)~亀岡

穴太寺のすぐ近くに、小幡神社があります。祭神は開化天皇です。開化天皇を祀る神社はここにしかありません。京都府亀岡市曽我部町穴太宮垣内で地名は穴太です。

穴太の穴とは鉱山のことで、大穴持(おおあなもち=おおなむち=大国主)の穴です。

開化天皇も台与です。第574話:開化天皇(第9代)は大彦!


京都府亀岡市行者山から産出する錫は亀岡市の保津から積み出され保津川、桂川と淀川水系を下って三島(茨木市)に運ばれました。茨木市の東奈良遺跡では、運河の跡が発掘されています。錫はここに運び込まれた銅鏡などの製造に使われていました。


上垣内憲一先生は、謎の四世紀」P250の中で、「穴太は穴穂で、つまり鉱山の穴から穂のように生い出るもの、この場合は青銅を作るのに必須な錫である。保津川の保津というという地名も、保津=精錬された錫を積み出す港という意味だと解する。」と書いておられます。


穴太寺から歩いていける距離に出雲大神宮があります。京都府亀岡市千歳町出雲無番地で地名に出雲が入っています。ということは、この地の台与一族(秦氏)が滞在していたということです。

出雲、出石、伊豆(いず)の付く人物(台与)に由来すると思われるからです。


台与は、亀岡の干拓(参照:秦氏と大山咋神 丹の湖~亀岡盆地は湖だった!!)や香川県で農地の開墾、開拓を行うなど、日本各地で人々に食料を安定して供給する事業を行いました。~大宜都比売(おおげつひめ)は台与


また丹波の地名の由来として、「諸国名義考」には「田庭なるべし」とあります。これは、かつて豊受大神宮(外宮)が丹波国真奈井にあり、皇大神宮(内宮)の御食事の稲を作っていた広く平らな場所の意味だといいます。昔は赤米が主流だったので、 「赤い米がたわわに実って風にそよぐさまが赤い(丹)波のようみ見える」というように解釈されています。


穴穂の穂は、精錬された錫であるとともに文字通り稲穂の穂でもあります。


保津川は急流ですので、邪馬台国の時代は下りしか使えません。私も京都縦貫道を使わずに亀岡に行くには、府道6号線を使います。古代の人も邪馬台国(枚方、高槻)から亀岡、丹波に行くにはこの道を使ったはずです。


府道6号線が国道9号線と合流するあたりに第339話:丹の湖~亀岡盆地は湖だった!!で書いた鍬山神社(亀岡市上矢田町)があります。保津峡の開削に使った鍬が山積みにされた地(鍬山)とも鍬を作った地ともいわれています。滋賀県大津市にも穴太という地名があります。(〒520-0114)この辺りは石垣を積み上げる穴太衆がいるので有名です。

穴太衆とは、台与(秦氏)の土木事業を請け負う工事人だったと思います。穴太衆は穴=鉱山の掘削もやって土蜘蛛ではないでしょうか。

第800話:大八島国と土蜘蛛 第52話:小人国 ~葛城


*丹波国桑田郡の郡司をしていた男とある桑田とは、第508話:桑田皇女と奈具遺跡:で書いた丹波国の桑田郷のことです。京都府丹波には桑田神社が2つあり、ともに篠町山本北絛町にあります。亀岡市東部、保津峡入り口の「大堰川」から「保津川」に名が変わる地に鎮座し、川向いには桑田神社が鎮座しています。その桑田神社とともに保津峡開削の伝承に関連する神社です。


桑田の桑は鍬(くわ)でもあります。鍬は土木工事を行うもの(土蜘蛛)の必須アイテムです。



このブログを書いているうちに、西国三十三番札所はと邪馬台国と重なることが分かってきました。

第一番  青岸渡寺→第543話:熊野の神々は、、、    

第二番  金剛宝寺(紀三井寺) →名草(和歌山市)第590話:彦狭知(ヒコサチ)の物語2~珍彦(ウズヒコ)

第三番 粉河寺第 →第768話:長髄彦と粉河寺~那賀郡

第五番 藤井寺 → 第794話:葛井寺と王辰爾

第六番 壷阪寺 → 第796話:壺阪寺と台与

第七番 岡寺 →  第795話:岡寺と台与(豊)

第八番  長谷寺 → 第666話:元伊勢(13)~長谷寺・與喜天満宮

第九番  南円堂 → 第793話:空海(6):虚空菩薩

第十番  三室戸寺 → 第723話:三室戸寺~宇治(莵道)

第十八番  六角堂(頂法寺)→第519話:六角堂と平安京

第二十二番 総持寺→ 第823話:総持寺幻想~大阪府茨木市

第二十四番 中山寺→第706話:中山寺・清荒神・売布神社~宝塚市

第三十番   宝厳寺(竹生島)→第705話:竹生島神社・宝厳寺 ~琵琶湖

番外 元慶寺(山科)→第720話:毘沙門堂~京都市山科



これまでの記事はこちらです。


※このブログは、御牧国(ミマキ国)が邪馬台国であるという前提の上で書いています。

・ミマキ国は、守口、寝屋川、茨木、吹田、高槻、枚方、交野です。

※このブログでは、魏志倭人伝:古事記・日本書紀の登場人物は三人だけとしています。

 ~古事記、日本書紀の作者(編纂者ではない)たちも魏志倭人伝しか資料がなかったのです。

記紀の登場人物をスサノオ(津田の王ウツシコオ(内色許男命)=難升米、卑弥呼=天照大神、台与(豊)に当てはめる作業をしているのです。

※台与とウツシコオのコンビとは、以下です。前者が台与です。

神武天皇と八咫烏、フツヌシとタケミカズチ、神功皇后 武内宿祢、応神天皇と武内宿祢、

アメノウズメと猿田彦、ニギハヤヒ(饒速日)とナガスネヒコ(長髄彦)

聖徳太子と蘇我馬子・秦河勝、五十猛(イタケル)とスサノオ(素戔嗚)

※台与(豊)は魏志倭人伝に書かれいる13歳で邪馬台国の大王(天皇)に即位した人物のことです。

※ウツシコオは魏志倭人伝に書かれている難升米のことです。

・今までのところ矛盾なくここまて書き続けています。矛盾している箇所があれば、その矛盾点をヒントとして次の記事としています。 


<目次>



穴太寺には木造の釈迦涅槃像が安置されています。布団が掛けられており、その布団をめくって自分の体の病のある部分と同じ箇所の涅槃像の部分を触ると参拝者の病気が良くなるそうです。 穴太寺|おでかけ検索|森の京都|京都の「森」総合案内サイト

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