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元伊勢(12)~敢國神社:甲賀三郎

  • tootake
  • 4月27日
  • 読了時間: 8分

更新日:5月3日

第665話 #諏訪大社 #諏訪は大阪 #日ユ道祖論

 

敢國神社(あえくにじんじゃ)は、三重県伊賀市一之宮にあります。

このブログでは、敢國神社について書くのは3度目です。


・第201話:敢國神社と大彦では、秦氏と神社の関係について調べたかったのです。

  第199話:~秦氏は神社の創設者

・第552話:敢国神社2~稚き児の宮では、敢國神社と諏訪大社との関連を知りました。

「南宮の本山は信濃国とぞ承る さぞ申す 美濃国には中の宮 伊賀国には稚き児の宮」とあり、南宮の本山が諏訪大社、「中の宮」が南宮大社 であるとされています。

稚き児とは、13歳でヤマト(邪馬台国)の大王に即位した台与のことです。


敢国神社の敢(あえ)阿閇氏(敢氏/阿閉氏)のことです。敢國神社の祭神である大彦は安部氏の祖とされています。~第196話:阿部(安部)氏~岸辺(吹田市)

・大彦は台与です。第454話:大彦は台与!


ところで、敢國神社の隠れた祭神として、室町時代末期から江戸時代の間は、金山比咩命・少彦名命(下記参照)の2神に甲賀三郎を加える3神説が定着していたといいます。


甲賀三郎(こうが さぶろう)は、長野県諏訪地方の伝説の主人公です。地底の国に迷いこみ彷徨い、後に地上に戻るも蛇体(または龍)となり諏訪の神になったなど、さまざまな伝説が残されており、近江(滋賀県)を舞台にした伝説もあります。


諏訪氏の始祖が8歳の時に諏訪明神(建御名方神:タケミナカタ)に自分の生ける神体として選ばれたという伝承があることから、この甲賀三郎も台与だと思われます。甲賀三郎は現人神(あらひとがみ=天皇)、すなわち諏訪明神の後裔で明神そのものとして崇敬されています。


神道集「諏訪縁起の事」では、甲賀三郎伝説は、以下のように語られています。

かなりごちゃごちゃした伝説ですので、不必要な部分を削除して要約すると下記のようなものです。


近江国甲賀郡に住む安寧天皇から5代の孫の甲賀権守諏胤(よりたね)という地頭が惣追捕使として東国の33ヶ国を治めた。大和国添上郡の地頭・春日権守の長女を娶り3人の子(太郎諏致・次郎諏任・三郎諏方)をもうけた。

70歳余になった諏胤は病床に三男の三郎諏方(よりかた)を惣領として東海道15ヶ国の惣追捕使の職を与え、長男の太郎諏致(よりむね)に東山8ヶ国、次男の次郎諏任(よりただ)に北陸道7ヶ国の惣追捕使に任命する。


諏訪(すわ)という名称は三郎の実名で「諏方」から来ているといいます。

甲賀三郎の兄:太郎が下野国宇都宮の示現大明神、二郎が若狭国の田中明神、父が赤山大明神、母が日光権現として顕れ物語は終了します。甲賀三郎は、甲賀郡に移って甲賀近江守となったとされています。

・甲賀三郎の兄の下野国宇都宮の示現大明神というのは、宇都宮二荒山神社のことで、ウツシコオと台与の男女の二神が現れたのでフタアラワレの山になったされると、第424話:https://www.hidemaru3375.com/post/豊鍬入姫命-日光と男体山・女峰山で書きました。

・次郎の田中明神というのは、福井県三方上中郡若狭町日笠にある廣嶺神社の事と思われます。若狭国神名帳所載の「正五位 田中氏明神」第86代後堀河天皇の御代、鎌倉時代の寛喜2年(1230年)、播磨国廣峯山より牛頭天王を勧請して創建されています。

・甲賀三郎の赤山大明神というのは、京都にある延暦寺別院赤山禅院に祭られている天台宗の守護神です。いずれも邪馬台国の時代より、かなり後に創建されたものです。ということは甲賀三郎の伝説も鎌倉時代以降に創作されたものでしょう。一方、宇都宮、若狭、播磨はこのブログで紹介したウツシコオ・台与と関連の深い地です。


ところで第620話:大阪と邪馬台国:諏訪(大阪市城東区)で諏訪は大阪の地名であることを述べました。

大阪市城東区諏訪2丁目に諏訪神社があり、祭神は、長野県の諏訪大社と同じで建御名方刀美命(たけみなかたとみのみこと)・八坂刀売命(やさかとめのみこと)です。

大阪市城東区諏訪にある諏訪神社は仁徳天皇=崇神天皇=台与が堀江の掘削工事をした時の拠点地だと思われます。大阪城は上町台地の上にあります。邪馬台国の頃は上町台地が半島として河内湖に突き出ていました。堀江は上町台地を掘削して河内湖と大阪湾を繋げる工事でした。東区諏訪にある諏訪神社は、堀江の掘削工事の拠点地であったと思われます。


<まとめ>

・甲賀三郎の伝説は、邪馬台国の時代よりかなり後に創作されたものですが、敢國神社と諏訪大社との関連を示しています。

・諏訪大社の主祭神はタケミナカタで、敢國神社の祭神は大彦です。ということはタケミナカタは台与だと思います。

・敢國神社の祭神の少彦名命(すくなひこなのみこと)も金山比咩命(かなやまひめのみこと) も台与です。

・八坂刀売命(やさかとめのみこと)も台与です。諏方講之式では「下宮亦八坂姫之云姫神」とあり、姫は八坂刀売神と比定されています。高島藩書上帳にも、下社の女神に関して「又名高知尾姫命」とあります。八坂刀売神


※タケミナカタについては、このブログでは下記のような記事を書きました。



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<蛇足の追記>

守屋山(もりやさん)は、長野県諏訪市と伊那市との境にある山です。

伝承によると旧名を「森山(もりやま)」という。古文書には「守屋ヶ嶽」「守矢が岳」ともいいます。その名称から「モリヤ」という神(洩矢神あるいは物部守屋)が宿る山として信仰を集めています。


旧約聖書にもモリヤ は登場します。

モリヤは地名です。エルサレムの付近にあったと言われています。

聖書本文では、創世記』22章2節と歴代誌下3章1節の二箇所に記述があります。創世記では神がアブラハムに息子イサクを「モリヤの地」に連れてくるよう命じ、神が命じた山の上で息子を犠牲にするよう、アブラハムに求めます。アブラハムはモリヤ山を「ヤハウェ・イルエ(ヤハウェがそなえる)」と名付けます。

歴代誌下ではソロモン王が「エルサレムのモリヤ山」で神殿の建築を始めています。この一節によれば、モリヤ山はソロモンの父ダビデの前に神が現れた場所でもあります。

ユダヤ人の伝承では、ソロモン王が神殿を建てたエルサレムのシオン山がモリヤであるとされている。歴代誌では、「エルサレムのモリヤ山上」と言われています。さらに、アブラハムがイサクをささげようとしたのが、オルナンの打ち場だと言われ、今でも「聖岩」といわれているものが存在します。


諏訪大社では説明のつかない様々儀式があり、これを日本人はユダヤの末裔とする日ユ同祖論が明治時代からささやかれています。冒頭で敢國神社は秦氏が創設した神社だとしました。秦氏とユダヤの関連も昔から広く知られていることですが、秦氏が仏教の導入を推進した事実もあります。秦氏は、ユダヤ教を捨てたユダヤ人だったようです。


関連項目:第544話:物部守屋雑記


※元伊勢シリーズは、卑弥呼の面影を探るためのシリーズなのですが、今回も、卑弥呼とは全く関係のない話になってしまいました。


<元伊勢シリーズ>


※これまでの記事はこちらです。


※このブログは、御牧国(ミマキ国)が邪馬台国であるという前提の上で書いています。

・ミマキ国は、守口、寝屋川、茨木、高槻、枚方、交野です。

※このブログでは、魏志倭人伝:古事記・日本書紀の登場人物は三人だけとしています。

 ~古事記、日本書紀の作者(編纂者ではない)たちも魏志倭人伝しか資料がなかったのです。

記紀の登場人物をスサノオ(津田の王ウツシコオ(内色許男命)=難升米、卑弥呼=天照大神、台与(豊)に当てはめる作業をしているのです。

・今までのところ矛盾なくここまて書き続けています。矛盾している箇所があれば、その矛盾点をヒントとして次の記事としています。 


<目次>






 
 
 

4 Comments

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tootake
Apr 27
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tootake
Apr 26
Rated 5 out of 5 stars.

元伊勢「伊豆加志本宮」(いつかしのもとのみや)は、『倭姫命世記』に記載される元伊勢の第三である。所在地は大和国。現在の奈良県桜井市にあたる。


豊鍬入姫命が「吉佐宮」より遷り、天照大神を8年間奉斎した。天照大神安住の地、現在の伊勢の神宮(伊勢神宮)の皇大神宮(内宮)を求める長い旅の途上。

(第十代崇神天皇)四十三年[丙寅]、倭国伊豆加志本宮(厳橿之本宮)に遷り、八年間奉斎。(『倭姫命世記』 口語訳

内宮と豊受大神宮(外宮)がリンクした、丹波「吉佐宮」における豊宇介神との邂逅は、それなりに意義深いものではあったが、それにしても、第一の「笠縫邑」の近くに舞い戻った形。


元伊勢「吉佐宮」(よさのみや)は、『倭姫命世記』に記載される元伊勢の第二である。所在地は丹波国。現在の京都府宮津市、京丹後市、福知山市にあたる。

Edited
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tootake
Apr 26
Rated 5 out of 5 stars.

<これまでウツシコオ(内色許男命)スサノオ(津田の王であることが判明した人物>


第374話:牛鹿臣はウツシコオ!   第371話:彦狭島命~吉備児島

第372話:建日方別:彦狭嶋命  第369話:神武西征~健磐龍命

第365話:君が代(2):君はウツシコオ   第363話:彦はすべて、ウツシコオ

第324話:武内宿禰はウツシコオ!!  第325話:天之日矛はウツシコオ

第326話:大日彦(オホヒヒ彦)~守口  第327話:于道朱君の衝撃~新羅

第328話:沙至比跪(サチヒコ)  第329話:アメノヒボコはウツシコオ

第330話:投馬国とウツシコオ~丹波(但馬)  第331話:朱智神社~迦邇米雷王

第333話: 牛頭天王(スサノオ)はアメノヒボコ?

第380話:猿田彦は異国人     第401話:犬養氏:スサノオは天手力男神=野見宿禰

第335話: 天道根命は道祖神=ウツシコオ 第334話: 大彦は、五十猛! 

第336話:大屋彦~根の国は和歌山  第337話:阿多賀田須命~宗像氏

第338話:月読命(ツクヨミ)      第349話:天児屋命はウツシコオ!!

第357話:武甕槌神(タケミカヅチ)考    第317話:ひょっとこ:火男~天之御影命

第318話:空海のルーツは内色許男命!   第319話:和知津美命はワタツミ!!

第320話:欠史八代はヤマト=三島    第230話:三嶋溝抗命たち(複数)

第231話:神八井耳命は三毛入野    第232話:内色許男命は武埴安彦命!

第274話:八咫烏もウツシコオ   第275話:事代主もウツシコオ?

第279話:開化天皇          第280話:建角身命もウツシコオ

第263話:中臣氏~中臣烏賊津      第256話:ウガヤフキアエズのミコト

第244話:大津神社と建南方富命  第245話:豊御気主命は三毛入野!

第246話:高御産巣日神(高木神)  第247話:今迦毛大御神と天若日子

第249話:物言えぬ皇子~阿遅須枳高日子  第251話:猿田彦は塩土老翁神

第252話:迦毛大御神は崇神天皇!  第253話:キサガイヒメはウツシコオの母!

第354話:伊勢津彦はタケミナカタ =ウツシコオ 第254話:興玉命も内色許男命

第361話:宇都志国玉神と宇都志日金拆命  第394話:天御鳥命(武夷鳥命)は火の鳥

第395話:天日鷲命は、、、  第397話:獲加多支鹵大王(ワカタケル) =雄略天皇


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