top of page

元伊勢(11)~阿射加神社

  • tootake
  • 4月26日
  • 読了時間: 7分

更新日:2 日前

第664話 #大若子命 #神伊豆速布留神 #底度久御魂


阿射加神社は、三重県松阪市小阿坂町と大阿坂町に二つあります。


小阿坂町の阿射加神社の祭神は、猿田彦大神、伊豆速布留神、竜天大神です。

倭姫命が天照大神の神霊を奉じ、鎮座地を求めて全国を巡行していた時、安佐賀(あさか)の山嶺に荒ぶる神伊豆速布留神がいたために、宇治の五十鈴の川上の宮に向かうことができなかった。このことを伊勢大若子命ら三名を朝廷に派遣し垂仁天皇に奏上させたところ、天皇は大若子命に命じて伊豆速布留神に様々な贈り物を捧げさせ、安佐賀に社を建て、伊豆速布留神を祀ったことが始まりだといいます。


ところでこのブログの第440話:台与は水死したのか??で、猿田彦は伊勢の阿邪訶(あさか)にて溺れて死んだと書きました。~椿井神社(三重県鈴鹿市)社伝

この伊勢の阿邪訶(あさか)が、阿射加(あさか)神社となったと思われます。


延喜式神名帳、伊勢国壱志郡には阿射加神社は三座とあり、古事記には猿田毘古神が阿耶訶に坐したとあり、また、猿田毘古神が溺れた際に、底度久御魂、都夫多都御魂、阿和佐久御魂の三つの御魂の名を表したことから、阿射加神社は「三座」とされています。

すなわち阿射加神社は三座とは、この猿田毘古神の三つの御魂で、祭神である伊豆速布留神は、猿田彦大神であると解されています。猿田彦はスサノオウツシコオ(内色許男命)です。~第251話:猿田彦は塩土老翁神


皇太神宮儀式帳に、倭姫命が藤方片樋宮において天照大神を奉斎していた時に、垂仁天皇の使者である阿倍大稲彦命が阿佐鹿悪神(あさかのあらぶるかみ)を平定したとあり、倭姫命世記には、阿佐加之弥子(阿坂の峰)に伊豆速布留神(いつはやふるのかみ)がいて通行の邪魔をするの*で、その心を和ませるために山上に神社を造営し、大若子命(おおわくごのみこと)に祈らせた、この「悪神」や「伊豆速布留神」や「荒神(荒悪神)」が当神社の祭神で、本来は当地一帯を領有する神であったが、水田耕作における水神信仰と結びついて、上述した「龍天明神」の俗称を得たものとされています。


*通行の邪魔をするとは、道中の峠などで通行に危険な場所であったため死んだ者がいたということです。第536話:塞ノ神と佐比の岡とおくどさんでは次のように書きました。

播磨風土記 揖保の郡 揖保の里の条に、佐比と名づけたわけは出雲の大神が神尾山におられた。この神は出雲の国*の人でここを通り過ぎるものがあると十人のうち五人をとり殺し、五人のうち三人を殺した。そこで出雲の国の人達は佐比(鋤)を作ってこの岡に祭った。とあります。*出雲の国は、三島(茨木市)、御牧(高槻・枚方)

人を殺したという記述の意味は、道中の峠などで通行に危険な場所であったため死んだ者がいたということです。出雲の大神が、 峠の神、荒魂であり、人々の往来を邪魔する神として登場したのです。

 さいの神は、賽神・幸神・障神・妻神・才神・性神などと書かれたり、岐(くなど)の神、久那土神、神・道祖神、道陸神(どうろくじん)とも同じものと言われています。

さいの神:障(さ)への神となり、、外から侵入して来る邪霊を防ぎ止める神、峠・坂・辻・村境など、境界に祭られた神になっていきます。行路の安全をつかさどり、中国の「道祖」と結びつけて信仰されるようになり、さいの神は、道の神になります。現在でも、さいの神のことをよく道祖神と表記します。


一方、祭神が3座とされていることについては、古事記に猿田彦神が溺れたと時に化生した猿田彦神の3つの御魂である底度久御魂(そこどくみたま)・都夫多都御魂(つぶたつみたま)・阿和佐久御魂(あわさくみたま)が当社祭神の3座であるとする説があり、本居宣長もこの説を当社祭神3座を猿田彦神の3つの御魂と見るのが有力な説となっています。

住吉三神・宗像三女神に認められるように元々一人の神を三人にするのは、3を聖数視しているからです。古墳時代には、本来一人の神を三人にする方がありがたられたようです。

底度久御魂=都夫多都御魂=阿和佐久御魂=伊豆速布留神=猿田彦=スサノオウツシコオ(内色許男命)ということです。底度久神は、底筒男のことでやはりウツシコオ(難升米)です。

水田耕作における水神信仰と結びついる龍天明神は台与です。

大若子命も台与で、阿射加神社創建にかかわったとされ、境内社「大若子命神社」に祀られています。皇太神宮儀式帳阿佐賀山に荒神(あらぶるかみ)がいて、倭姫命の五十鈴川上之宮への巡行を阻むので、かつて阿坂国を平定した天日別命(あめのひわけのみこと)の子孫である大若子命に、その荒悪神(あらぶるかみ)を祀らせるとともに神社を建立したとあります。天日別命はウツシコオです。~第498話:卑狗は彦~対馬(津島)


ちなみに社伝に、阿射加神社の創祀について古事記伝には、円座薬師という小阿坂にあった寺の縁起に、当神社は行基が勧請したとの伝えがあったことを記しています。もうこのブログでもおなじみとなった行基がまたしても意図せず登場しました。

◎このブログでは、観音信仰と台与というシリーズ記事を書いていたのですが、台与の関与する地にはかならずと言ってよいほど、行基が登場するのです。


行基とヤマトタケル(台与)の関係については、私が書いたのではない、こんな記事がありました。→https://www.rekishijin.com/43241


・元伊勢をずっと検証してきましたが、天照大神(卑弥呼)の残像がさっぱり見えませんので、今回からタイトルの卑弥呼の残像を消します。


<元伊勢シリーズ>


※これまでの記事はこちらです。


※このブログは、御牧国(ミマキ国)が邪馬台国であるという前提の上で書いています。

・ミマキ国は、守口、寝屋川、茨木、高槻、枚方、交野です。

※このブログでは、魏志倭人伝:古事記・日本書紀の登場人物は三人だけとしています。

 ~古事記、日本書紀の作者(編纂者ではない)たちも魏志倭人伝しか資料がなかったのです。

記紀の登場人物をスサノオ(津田の王ウツシコオ(内色許男命)=難升米、卑弥呼=天照大神、台与(豊)に当てはめる作業をしているのです。

・今までのところ矛盾なくここまて書き続けています。矛盾している箇所があれば、その矛盾点をヒントとして次の記事としています。 


<目次>





 
 
 

1件のコメント

5つ星のうち0と評価されています。
まだ評価がありません

評価を追加
tootake
4月25日
5つ星のうち5と評価されています。

<これまでウツシコオ(内色許男命)スサノオ(津田の王であることが判明した人物>


第374話:牛鹿臣はウツシコオ!   第371話:彦狭島命~吉備児島

第372話:建日方別:彦狭嶋命  第369話:神武西征~健磐龍命

第365話:君が代(2):君はウツシコオ   第363話:彦はすべて、ウツシコオ

第324話:武内宿禰はウツシコオ!!  第325話:天之日矛はウツシコオ

第326話:大日彦(オホヒヒ彦)~守口  第327話:于道朱君の衝撃~新羅

第328話:沙至比跪(サチヒコ)  第329話:アメノヒボコはウツシコオ

第330話:投馬国とウツシコオ~丹波(但馬)  第331話:朱智神社~迦邇米雷王

第333話: 牛頭天王(スサノオ)はアメノヒボコ?

第380話:猿田彦は異国人     第401話:犬養氏:スサノオは天手力男神=野見宿禰

第335話: 天道根命は道祖神=ウツシコオ 第334話: 大彦は、五十猛! 

第336話:大屋彦~根の国は和歌山  第337話:阿多賀田須命~宗像氏

第338話:月読命(ツクヨミ)      第349話:天児屋命はウツシコオ!!

第357話:武甕槌神(タケミカヅチ)考    第317話:ひょっとこ:火男~天之御影命

第318話:空海のルーツは内色許男命!   第319話:和知津美命はワタツミ!!

第320話:欠史八代はヤマト=三島    第230話:三嶋溝抗命たち(複数)

第231話:神八井耳命は三毛入野    第232話:内色許男命は武埴安彦命!

第274話:八咫烏もウツシコオ   第275話:事代主もウツシコオ?

第279話:開化天皇          第280話:建角身命もウツシコオ

第263話:中臣氏~中臣烏賊津      第256話:ウガヤフキアエズのミコト

第244話:大津神社と建南方富命  第245話:豊御気主命は三毛入野!

第246話:高御産巣日神(高木神)  第247話:今迦毛大御神と天若日子

第249話:物言えぬ皇子~阿遅須枳高日子  第251話:猿田彦は塩土老翁神

第252話:迦毛大御神は崇神天皇!  第253話:キサガイヒメはウツシコオの母!

第354話:伊勢津彦はタケミナカタ =ウツシコオ 第254話:興玉命も内色許男命

第361話:宇都志国玉神と宇都志日金拆命  第394話:天御鳥命(武夷鳥命)は火の鳥

第395話:天日鷲命は、、、  第397話:獲加多支鹵大王(ワカタケル) =雄略天皇


hidemaru3375.com/post/ヒコユキからウツシコオへの過程

いいね!
bottom of page