二つの三嶋鴨神社
- tootake
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第894話
三島鴨神社は、大阪府高槻市に二つあります。三島江地区に鎮座する「三島鴨神社」については、第257話:邪馬台国の誕生 で書いたように、三島鴨神社の対岸の枚方市の地名は伊加賀(イカガ)です。伊加賀は、崇神天皇の母親:イカガシコメの由来となった地です。
もう一つの三島鴨神社は、大阪府高槻市赤大路町にあります。
三島江地区の「三島鴨神社」はかつて淀川の中州にあったと伝えられ、その中州を神の力によって作られた「御島」と讃え、これが「三島」となったとしています。三島江地区の三島鴨神社はかつて「幾島*大明神」と呼ばれたことからも、淀川に形成された幾つもの島々を神聖視し祀ったことを思わせます。また、伊予国風土記逸文に「和多志の大神」とあり、淀川の「渡し」の神だったと思われます。*幾島=磯嶋は、磯城(しき)です。~第688話:磯城(しき)は磯嶋(いそしま:枚方市)
赤大路町の三島鴨神社は、賀茂氏の神として「鴨御祖大神」を祀っています。先述の通り当社の鎮座地の小字を「鴨林(かんばやし)」といい、当地に賀茂氏が居住し祖神を祀ったことが考えられます。鴨(加茂、賀茂)とは、神のことです。
鴨御祖大神は、賀茂別雷神社、賀茂御祖神社など神である賀茂建角身命を指すと思われています。賀茂建角身命はウツシコオ(内色許男命)=スサノオ(津田の王)です。
また、赤大路町の周辺には、三島溝橛耳神」を祀る式内社の「溝咋神社」が茨木市五十鈴町に鎮座しています。三島溝橛耳神=事代主命=ウツシコオです。~第43話:三島の溝杭 ~茨木市 第134話:三島の溝杭は大日彦~邪馬台国異聞9
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この赤大路社の公式HPは、独自の古代史伝承が記載されています。
・先祖の鴨族の先住民族は、葛城山にある高鴨神社を祀った鴨族。その一族がこの嶋下郡に、勢力を伸ばした。その後、3世紀中期に、鴨族は神武天皇と共に卑弥呼を打倒した。
・神武天皇から第9代開化天皇(4世紀初め)までは葛城*王朝であり、鴨族はその王朝を支えた。その王朝期の3世紀に、鴨神社は創建された。
・4世紀中頃、近畿で成立した大和朝廷により葛城の鴨族は滅亡した。
・4世紀末の仁徳天皇*の時代に百済から武寧王の斯麻王*、つまり御嶋(三島)の神が渡来し現在の津之江や三島江の方から北へと勢力を伸ばした。
・その三嶋氏が勢力を伸ばし、県主となってそれまでの鴨神社と合祀して、三島鴨神社となった。これが現在の鴨神社である。
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◎三嶋鴨神社は、「三嶋」の要素と「鴨」要素が複雑に絡み合い比定の難しい神社となっています。とされていますが、三嶋一族=鴨一族ですので、何ら難しいことはありません。
*武寧王の斯麻王とはウツシコオです。斯麻王(シマ王)のシマは三島のことです・
*仁徳天皇は台与です。~第582話:仁徳天皇(第16代)と大仙陵古墳
*葛城=ヤマトは高槻・枚方です。~第430話:倭(やまと)は高槻市、葛城は交野市
第257話:邪馬台国の誕生 では、「三島はもともと大山祇の支配地であったところウガヤフキアエズが和歌山県の名草からやって来たのです。多分、紛争(戦闘)もあったのでしょう。」と書きましたが、その後、大山祇は、ウツシコオであると考えを変えました。
~第425号:秦氏と大山咋神 (大山祇はウツシコオで、大山咋は、台与でしょう。)
静岡県の三島大社の「三嶋」は伊豆大島、三宅島等から成る伊豆諸島を指すと言われていますが、これは間違いです。三島大社鎮座地の地名は「三島」ですが、これは先の伊豆諸島を指す「三島」とは異なり、大阪府三島郡の三島です。静岡県の三島は、古代には伊豆国の国府があったことから「国府(こう)」と称されていました。そして三嶋神が国府に祀られたのち、13世紀末頃から大社にちなんで地名も「三島」と呼ぶようになったのです。
~第811話:白浜神社・三島大社~伊豆
愛媛県今治市大三島にある大山祇神社の「大三島記文』(社伝)では、大山祇神子孫の小千命(乎千命、おちのみこと)が大三島に勧請したとされています。
小千命は台代です。~第778話:邪馬台国の水軍(5):小千御子
鴨族は神武天皇と共に卑弥呼を打倒した。とあるのは、興味深い記述です。
このブログでも、卑弥呼はウツシコオと台与に殺されたのではないかと疑っています。
第814話:卑弥呼は殺されたのか?(1):涌出宮
第815話:卑弥呼は殺されたのか?(2):祝園神社
第816話:卑弥呼は殺されたのか(3)
三島鴨神社は、高槻にふたつあるのは、第785話:伊勢神宮の秘密(2):内宮と下宮がある理由でも書いたように、重要な地にある神社はウツシコオと台与の2つが必要だったのです。赤大路社の三島鴨神社はウツシコオのためのもので 三島江の三島鴨神社は台与のためのものでしょう。
これまでの記事はこちらです。
※このブログは、御牧国(ミマキ国)が邪馬台国であるという前提の上で書いています。
・ミマキ国は、守口、寝屋川、茨木、吹田、高槻、枚方、交野です。
※このブログでは、魏志倭人伝:古事記・日本書紀の登場人物は三人だけとしています。
~古事記、日本書紀の作者(編纂者ではない)たちも魏志倭人伝しか資料がなかったのです。
記紀の登場人物をスサノオ(津田の王)=ウツシコオ(内色許男命)=難升米、卑弥呼=天照大神、台与(豊)に当てはめる作業をしているのです。
※台与とウツシコオのコンビとは、以下です。前者が台与です。
神武天皇と八咫烏、フツヌシとタケミカズチ、神功皇后 武内宿祢、応神天皇と武内宿祢、
アメノウズメと猿田彦、ニギハヤヒ(饒速日)とナガスネヒコ(長髄彦)
聖徳太子と蘇我馬子・秦河勝、五十猛(イタケル)とスサノオ(素戔嗚)
※台与(豊)は魏志倭人伝に書かれている13歳で邪馬台国の大王(天皇)に即位した人物のことです。
※ウツシコオは魏志倭人伝に書かれている難升米のことです。
・今までのところ矛盾なくここまて書き続けています。矛盾している箇所があれば、その矛盾点をヒントとして次の記事としています。
<目次>




・赤大路社の三島鴨神社の祭神は、大山積(祗)命 、伊弉諾尊、伊弉冉尊、鴨御祖大神(=ウツシコオ=難升米)
・三島江の三島鴨神社の祭神は、大山祇、事代主です。
三嶋溝抗命たち(複数)
<これまでウツシコオ(内色許男命)=スサノオ(津田の王)であることが判明した人物>
第374話:牛鹿臣はウツシコオ! 第371話:彦狭島命~吉備児島
第372話:建日方別:彦狭嶋命 第369話:神武西征~健磐龍命
第365話:君が代(2):君はウツシコオ 第363話:彦はすべて、ウツシコオ
第324話:武内宿禰はウツシコオ!! 第325話:天之日矛はウツシコオ
第326話:大日彦(オホヒヒ彦)~守口 第327話:于道朱君の衝撃~新羅
第328話:沙至比跪(サチヒコ) 第329話:アメノヒボコはウツシコオ
第330話:投馬国とウツシコオ~丹波(但馬) 第331話:朱智神社~迦邇米雷王
第333話: 牛頭天王(スサノオ)はアメノヒボコ?
第380話:猿田彦は異国人 第401話:犬養氏:スサノオは天手力男神=野見宿禰
第335話: 天道根命は道祖神=ウツシコオ 第334話: 大彦は、五十猛!
第336話:大屋彦~根の国は和歌山 第337話:阿多賀田須命~宗像氏
第338話:月読命(ツクヨミ) 第349話:天児屋命はウツシコオ!!
第357話:武甕槌神(タケミカヅチ)考 第317話:ひょっとこ:火男~天之御影命
第318話:空海のルーツは内色許男命! 第319話:和知津美命はワタツミ!!
第320話:欠史八代はヤマト=三島 第230話:三嶋溝抗命たち(複数)
第231話:神八井耳命は三毛入野 第232話:内色許男命は武埴安彦命!
第274話:八咫烏もウツシコオ 第275話:事代主もウツシコオ?
第279話:開化天皇 第280話:建角身命もウツシコオ
第263話:中臣氏~中臣烏賊津 第256話:ウガヤフキアエズのミコト
第244話:大津神社と建南方富命 第245話:豊御気主命は三毛入野!
第246話:高御産巣日神(高木神) 第247話:今迦毛大御神と天若日子
第249話:物言えぬ皇子~阿遅須枳高日子 第251話:猿田彦は塩土老翁神
第252話:迦毛大御神は崇神天皇! 第253話:キサガイヒメはウツシコオの母!
第354話:伊勢津彦はタケミナカタ =ウツシコオ 第254話:興玉命も内色許男命
第361話:宇都志国玉神と宇都志日金拆命 第394話:天御鳥命(武夷鳥命)は火の鳥
第395話:天日鷲命は、、、 第397話:獲加多支鹵大王(ワカタケル) =雄略天皇
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