top of page

卑弥呼は殺されたのか(3)

  • tootake
  • 9月25日
  • 読了時間: 6分

第816話


古事記・日本書紀で、崇神天皇や神武天皇によって殺された人物は、前回で書いた武埴安彦命(タケハニヤス)、吾田媛のほかにも何人かいます。なぜかすべて女性です。


名草戸畔(トベ)、丹敷戸畔、新城戸畔は、日本書紀に登場する女性首長で、神武天皇によって誅されたと記されています。これらの女性たちは、ヤマト王権成立以前の地域支配者であり、特に紀伊・熊野地方における女性の政治的地位を示す重要な存在とされています。


🗾 神武天皇に誅された女性首長たち

名前

地域

特徴・記述内容

名草トベ

紀ノ川河口

名草邑の支配者。神武天皇の軍により誅された。女性首長の象徴的存在。

丹敷トベ

熊野地方

熊野荒坂津(丹敷浦)にて神武軍に討たれる。毒気を吐く神の加護を受けていたとされる。

新城トベ

層富県(奈良)

大和国の首長。神武天皇の進軍に抵抗し、誅されたとされる。

「トベ(戸畔)」とは?

  • 「トベ」は個人名ではなく、女性首長の称号と考えられています。

  • 紀伊・熊野・大和などの地域において、ヤマト王権以前の土着勢力の女性リーダーを指す言葉だった可能性があります。

  • これらの女性が神武天皇の東征において討たれたことは、母系的な支配構造から父系的王権への転換を象徴しているとも解釈されています。

🏯 地元に残る伝承

  • 丹敷トベの血で海が赤く染まったという伝承があり、熊野の御手洗海岸や那智勝浦町などに痕跡が残っています。

  • 新城トベについては記述が少ないものの、奈良県層富県(そほのあがた)に関連する地名や神社がある可能性があります。

このように、神武天皇によって誅された女性首長は複数存在し、彼女たちは単なる敵ではなく、地域の神聖性や政治的権威を担っていた存在だったと考えられます。


愛知県新城市周辺には、彼女に関連する可能性のある神社がいくつか存在します。

🏯 新城トベに関連すると考えられる神社

1. 富永神社(新城市)〒441-1378愛知県新城市宮ノ後78

  • JR新城駅の北に鎮座する神社で、地域の歴史と深く関わっています。

  • 毎年10月には例大祭が行われ、能舞台での奉納や手筒花火などが盛大に行われます。

  • 直接「新城トベ」を祀っているとは明記されていませんが、新城地域の古代首長層との関連性を持つ神社として注目されています。

2. 竹生神社(新城市)新城市杉山字行時7番

  • 熊野神社、竹生天神、多芸神社を合祀して成立した神社で、古代の郷司・竹生氏に由来します。

  • 竹生天神は女性神であり、地域の女性神信仰と結びついている可能性があります。

  • 新城トベが女性首長であったことを考えると、この神社の祭神構成が象徴的に重なる部分があるかもしれません。

🧭 考察:なぜ祀られていないのか?

  • 新城トベは神武天皇によって誅された存在であるため、ヤマト王権の正統性を強調する日本書紀の文脈では「敵」として描かれています。

  • そのため、彼女を神として祀ることは避けられた可能性があります。

  • ただし、地元の伝承や民間信仰の中で、名前を変えて祀られている可能性もあります。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

神武天皇に殺されたとされるこれらの三人の女性(名草戸畔、丹敷戸畔、新城戸畔)は、実は卑弥呼のことでないかというのが私の考えです。神武天皇は台与です。

第566話:神武天皇と橿原神宮  


名草トベの名草は、和歌山県和歌山市で、ウツシコオ(内色許男命)スサノオ(津田の王(ヒコサチ)の出身地です。ウツシコメはウツシコオの姉です。このブログでは、ウツシコメは卑弥呼としています。


丹敷トベについては、第223話:丹敷戸畔 では、丹敷トベ(丹生都比売)が持つ鉱山の権利をめぐる争いだとしました。


新城トベについては、愛知県新城市周辺には、彼女に関連する可能性のある神社がいくつか存在します。

富永神社(新城市)は、JR新城駅の北に鎮座する神社で、地域の歴史と深く関わっています。直接「新城トベ」を祀っているとは明記されていませんが、新城地域の古代首長層との関連性を持つ神社として注目されています。

2. 竹生神社(新城市)の祭神である竹生天神は女性神であり、地域の女性神信仰と結びついている可能性があります。

🧭 考察:なぜ祀られていないのか?

  • 新城トベは神武天皇によって誅された存在であるため、ヤマト王権の正統性を強調する日本書紀の文脈では「敵」として描かれています。

  • そのため、彼女を神として祀ることは避けられた可能性があります。

  • ただし、地元の伝承や民間信仰の中で、名前を変えて祀られている可能性もあります


「新城トベ(にいきとべ)」は、神武天皇の東征に抵抗したとされる「トベ」たちの一人で、特に大和国の「トミ」地域(現在の奈良盆地周辺)に関係する女性首長・巫女的存在と考えられています。

新城トベは、ナガスネヒコ(長髄彦)の本拠「トミ」に関係し、神武天皇の進軍に抵抗した「三処の土蜘蛛」の一人とされます。~: トベ達の悲歌草の実堂土蜘蛛塚


古事記、日本書紀には新城トベの名は明記されていませんが、神武天皇の東征において「まつろわぬ民(服従しない民)」が討たれたという記述があり、そこに登場する「土蜘蛛」や「長髄彦」などの勢力に新城トベが含まれていた可能性があるとする研究があります。


前回:卑弥呼は殺されたのか?(2):祝園神社では葬り去られたのは、卑弥呼で、葬り去ったのは、健御雷命、経津主命、天児屋根命つまり台与とウツシコオ(内色許男命)スサノオ(津田の王です


なぜ卑弥呼は、台与とウツシコオに殺されたかは、現在のところ不明ですが、邪馬台国(ヤマト)の主権をめぐるものであったことは、確かでしょう。


関連項目:第241話:名草トベの惨殺


これまでの記事はこちらです。


※このブログは、御牧国(ミマキ国)が邪馬台国であるという前提の上で書いています。

・ミマキ国は、守口、寝屋川、茨木、吹田、高槻、枚方、交野です。

※このブログでは、魏志倭人伝:古事記・日本書紀の登場人物は三人だけとしています。

 ~古事記、日本書紀の作者(編纂者ではない)たちも魏志倭人伝しか資料がなかったのです。

記紀の登場人物をスサノオ(津田の王ウツシコオ(内色許男命)=難升米、卑弥呼=天照大神、台与(豊)に当てはめる作業をしているのです。

※台与とウツシコオのコンビとは、以下です。前者が台与です。

神武天皇と八咫烏、フツヌシとタケミカズチ、神功皇后 武内宿祢、応神天皇と武内宿祢、

アメノウズメと猿田彦、ニギハヤヒ(饒速日)とナガスネヒコ(長髄彦)

聖徳太子と蘇我馬子・秦河勝、五十猛(イタケル)とスサノオ(素戔嗚)

※台与(豊)は魏志倭人伝に書かれいる13歳で邪馬台国の大王(天皇)に即位した人物のことです。

※ウツシコオは魏志倭人伝に書かれている難升米のことです。

・今までのところ矛盾なくここまて書き続けています。矛盾している箇所があれば、その矛盾点をヒントとして次の記事としています。 


<目次>





ree

 
 
 

3件のコメント

5つ星のうち0と評価されています。
まだ評価がありません

評価を追加

tootake
9月24日
5つ星のうち5と評価されています。
いいね!

tootake
9月24日
5つ星のうち5と評価されています。

<これまでウツシコオ(内色許男命)スサノオ(津田の王であることが判明した人物>


第374話:牛鹿臣はウツシコオ!   第371話:彦狭島命~吉備児島

第372話:建日方別:彦狭嶋命  第369話:神武西征~健磐龍命

第365話:君が代(2):君はウツシコオ   第363話:彦はすべて、ウツシコオ

第324話:武内宿禰はウツシコオ!!  第325話:天之日矛はウツシコオ

第326話:大日彦(オホヒヒ彦)~守口  第327話:于道朱君の衝撃~新羅

第328話:沙至比跪(サチヒコ)  第329話:アメノヒボコはウツシコオ

第330話:投馬国とウツシコオ~丹波(但馬)  第331話:朱智神社~迦邇米雷王

第333話: 牛頭天王(スサノオ)はアメノヒボコ?

第380話:猿田彦は異国人     第401話:犬養氏:スサノオは天手力男神=野見宿禰

第335話: 天道根命は道祖神=ウツシコオ 第334話: 大彦は、五十猛! 

第336話:大屋彦~根の国は和歌山  第337話:阿多賀田須命~宗像氏

第338話:月読命(ツクヨミ)      第349話:天児屋命はウツシコオ!!

第357話:武甕槌神(タケミカヅチ)考    第317話:ひょっとこ:火男~天之御影命

第318話:空海のルーツは内色許男命!   第319話:和知津美命はワタツミ!!

第320話:欠史八代はヤマト=三島    第230話:三嶋溝抗命たち(複数)

第231話:神八井耳命は三毛入野    第232話:内色許男命は武埴安彦命!

第274話:八咫烏もウツシコオ   第275話:事代主もウツシコオ?

第279話:開化天皇          第280話:建角身命もウツシコオ

第263話:中臣氏~中臣烏賊津      第256話:ウガヤフキアエズのミコト

第244話:大津神社と建南方富命  第245話:豊御気主命は三毛入野!

第246話:高御産巣日神(高木神)  第247話:今迦毛大御神と天若日子

第249話:物言えぬ皇子~阿遅須枳高日子  第251話:猿田彦は塩土老翁神

第252話:迦毛大御神は崇神天皇!  第253話:キサガイヒメはウツシコオの母!

第354話:伊勢津彦はタケミナカタ =ウツシコオ 第254話:興玉命も内色許男命

第361話:宇都志国玉神と宇都志日金拆命  第394話:天御鳥命(武夷鳥命)は火の鳥

第395話:天日鷲命は、、、  第397話:獲加多支鹵大王(ワカタケル) =雄略天皇


hidemaru3375.com/post/ヒコユキからウツシコオへの過程

いいね!
bottom of page