穴太衆と邪馬台国
- tootake
- 1 日前
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第879話
穴太衆(あのうしゅう)は、日本の近世初期にあたる織豊時代(安土桃山時代)に活躍した石工の集団です。主に寺院や城郭などの石垣施工を行った技術者集団で、石工衆、石垣職人と呼ばれています。
穴太衆は、近江の比叡山山麓にある穴太(滋賀県大津市坂本穴太):延暦寺と日吉大社の門前町・坂本の近郊。穴太ノ里〈あのうのさと〉などとも俗称)の出身で、古墳時代に朝鮮半島から渡来した古墳築造などを行っていた石工の末裔であるといいます。寺院の石工を任されていたが、高い技術を買われて、安土城の石垣を施工したことで、織田信長や豊臣秀吉らによって城郭の石垣構築にも携わるようになります。以降も江戸時代初頭に到るまでに多くの城の石垣が穴太衆の指揮のもとで作られています。
現代でも、坂本の町に多数立ち並ぶ里坊(さとぼう)と呼ばれる延暦寺の末端の寺院群は、彼らの組んだ石垣で囲まれ、町並みに特徴を与えています。
穴太衆の一つである粟田家は、江戸時代初期の阿波屋喜兵衛が祖で、会社組織として存続しています。
粟田家は坂本を門前町とする比叡山延暦寺の石積みの仕事を代々請け負ってきたほか、第二次世界大戦後は兵庫県の竹田城や篠山城、滋賀県の安土城や彦根城、さらに高知城、洲本城などの石垣修復を手掛けています。
穴太衆については、第824話:穴太寺と穴太衆=土蜘蛛で、「台与(秦氏)の土木事業を請け負う工事人だったと思います。穴太衆は穴=鉱山の掘削もやって土蜘蛛ではないでしょうか。」と書きました。また、第834話:穂高・佐久・上高地:地名の由来では、「穴太衆=安曇族=土蜘蛛ということです。 」とも書きました。
つまり、穴太衆は、邪馬台国時代から続く土木工事の技術者集団であったと思います。
粟田家は、記紀や新撰姓氏録、「粟田朝臣、大春日朝臣同祖、天足彦国押人命之後也」とあり、山城国皇別によると「天足彦国押人命三世孫彦国葺命之後也」と伝えられている皇別氏族で、 和珥氏系統の氏族です。大和国の添上郡(奈良市東部)や、山城国*愛宕郡上粟田・下粟田(京都市東山区粟田口)を本拠地としたと思われ、「粟田」という氏の名称は、「粟田郷」の地名にもとづいています。北垣聡一郎の「近江の石垣築成者 穴太衆」)によれば、粟田氏の話として、「先祖は阿波の国から来た」と語っています。*前回:淀屋と三島溝咋耳の淀屋の出身地も山城国でした。
このブログの主人公である彦狭知命=ウツシコオ(内色許男命)=スサノオ(津田の王)は、紀伊国の忌部氏の祖です。
紀伊国の忌部氏は、四国にわたり阿波(粟田)の忌部氏になったと思われます。
阿波(粟田)の忌部氏の祖の天日鷲命はウツシコオ(内色許男命)=スサノオ(津田の王)です。~第395話:天日鷲命
粟田家は、1964年(昭和39年)に十三代目が粟田建設を商号とし、2005年(平成17年)に株式会社化して活動を行っています。近年は文化財の修復の他にも、野面積の頑丈さと芸術性が評価されて、ダラスのロレックス支社などでも施工するようになっています。
穴太衆は、邪馬台国時代から続く土木工事の技術者集団で、安曇族=土蜘蛛でもあり、台与とともに日本各地の暴れ川(洪水を起こす川)の河川改修を行ってきたことはこのブログで述べてきました。穴太衆は、その後、各地の古墳の政策も担当して土木工事の技術を継承してきたというのが私の考えです。
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今回も、日本の歴史で、大規模な土木工事を行った人物を調べるシリーズです。
日本の古代史で大規模な土木工事を行ったのは、秦氏です。
秦氏の行った土木工事については、
第412話:ヤマタノオロチは淀川~茨田堤2
第344話:聖徳太子伝説~堀江と茨田堤
第806話:五社水路と三島溝咋耳
第807話:邪馬台国と栗隈大溝(くりくまのおおうなで)などで書いています。
近畿には、淀屋、安井道頓、金剛組、穴太衆など大規模な土木工事を行った人達がいます。
これらの人物は、秦氏、三島溝咋耳の技術を受け継いだ人たちではないでしょう。
三島溝咋耳(みしまみぞくいみみ)の「溝咋」とは文字通り「溝を掘削するという意味です。前回は:淀屋と三島溝咋耳 前々回は:道頓堀と三島溝咋耳 第876話:太田 道灌と三島溝咋耳
これまでの記事はこちらです。
※このブログは、御牧国(ミマキ国)が邪馬台国であるという前提の上で書いています。
・ミマキ国は、守口、寝屋川、茨木、吹田、高槻、枚方、交野です。
※このブログでは、魏志倭人伝:古事記・日本書紀の登場人物は三人だけとしています。
~古事記、日本書紀の作者(編纂者ではない)たちも魏志倭人伝しか資料がなかったのです。
記紀の登場人物をスサノオ(津田の王)=ウツシコオ(内色許男命)=難升米、卑弥呼=天照大神、台与(豊)に当てはめる作業をしているのです。
※台与とウツシコオのコンビとは、以下です。前者が台与です。
神武天皇と八咫烏、フツヌシとタケミカズチ、神功皇后 武内宿祢、応神天皇と武内宿祢、
アメノウズメと猿田彦、ニギハヤヒ(饒速日)とナガスネヒコ(長髄彦)
聖徳太子と蘇我馬子・秦河勝、五十猛(イタケル)とスサノオ(素戔嗚)
※台与(豊)は魏志倭人伝に書かれている13歳で邪馬台国の大王(天皇)に即位した人物のことです。
※ウツシコオは魏志倭人伝に書かれている難升米のことです。
・今までのところ矛盾なくここまて書き続けています。矛盾している箇所があれば、その矛盾点をヒントとして次の記事としています。
<目次>




狂心渠(たわむれごころのみぞ)
日根神社 - Wikipedia
<これまでウツシコオ(内色許男命)=スサノオ(津田の王)であることが判明した人物>
第374話:牛鹿臣はウツシコオ! 第371話:彦狭島命~吉備児島
第372話:建日方別:彦狭嶋命 第369話:神武西征~健磐龍命
第365話:君が代(2):君はウツシコオ 第363話:彦はすべて、ウツシコオ
第324話:武内宿禰はウツシコオ!! 第325話:天之日矛はウツシコオ
第326話:大日彦(オホヒヒ彦)~守口 第327話:于道朱君の衝撃~新羅
第328話:沙至比跪(サチヒコ) 第329話:アメノヒボコはウツシコオ
第330話:投馬国とウツシコオ~丹波(但馬) 第331話:朱智神社~迦邇米雷王
第333話: 牛頭天王(スサノオ)はアメノヒボコ?
第380話:猿田彦は異国人 第401話:犬養氏:スサノオは天手力男神=野見宿禰
第335話: 天道根命は道祖神=ウツシコオ 第334話: 大彦は、五十猛!
第336話:大屋彦~根の国は和歌山 第337話:阿多賀田須命~宗像氏
第338話:月読命(ツクヨミ) 第349話:天児屋命はウツシコオ!!
第357話:武甕槌神(タケミカヅチ)考 第317話:ひょっとこ:火男~天之御影命
第318話:空海のルーツは内色許男命! 第319話:和知津美命はワタツミ!!
第320話:欠史八代はヤマト=三島 第230話:三嶋溝抗命たち(複数)
第231話:神八井耳命は三毛入野 第232話:内色許男命は武埴安彦命!
第274話:八咫烏もウツシコオ 第275話:事代主もウツシコオ?
第279話:開化天皇 第280話:建角身命もウツシコオ
第263話:中臣氏~中臣烏賊津 第256話:ウガヤフキアエズのミコト
第244話:大津神社と建南方富命 第245話:豊御気主命は三毛入野!
第246話:高御産巣日神(高木神) 第247話:今迦毛大御神と天若日子
第249話:物言えぬ皇子~阿遅須枳高日子 第251話:猿田彦は塩土老翁神
第252話:迦毛大御神は崇神天皇! 第253話:キサガイヒメはウツシコオの母!
第354話:伊勢津彦はタケミナカタ =ウツシコオ 第254話:興玉命も内色許男命
第361話:宇都志国玉神と宇都志日金拆命 第394話:天御鳥命(武夷鳥命)は火の鳥
第395話:天日鷲命は、、、 第397話:獲加多支鹵大王(ワカタケル) =雄略天皇
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