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五社水路と三島溝咋耳

  • tootake
  • 9月15日
  • 読了時間: 5分

第806話


五社水路(ごしゃすいろ)は、大阪府北部の高槻市・茨木市周辺に古くから存在する農業用水路で、その歴史は非常に古く、古代の「三島大溝(みしまおおみぞ)」に比定される可能性も指摘されています。


五社水路は、高槻市塚原付近の安威川(あいがわ)左岸に設けられた「五社井堰(ごしゃいせき)」から取水し、富田台地を中心に、旧七ヶ村(太田・宮田・富田・西五百住・赤大路・総持寺・中城)を潤していました。


正確な築造年代は不明ですが、三島地区の古墳がすべてこの水路を避けて築かれていることから、4世紀前期(=邪馬台国の時代)には存在していたと思われます。


この五社水路を古代の「三島大溝」説や三島溝咋耳伝承と結びつけて考える学者もいます。


三島溝咋耳(みしまみぞくいみみ)と事代主神(ことしろぬしのかみ)は神話上では別の神格として描かれていますが、両者の関係性は非常に密接で、同一視の可能性を含む象徴的・系譜的な重なりが存在します。

古事記、日本書紀、先代旧事本紀などによれば、 三島溝咋耳の娘(玉櫛媛命または勢夜陀多良比売)は、事代主神または大物主神の妻とされ、 その間に生まれたのが媛蹈鞴五十鈴媛命(ひめたたらいすずひめ)、神武天皇の皇后となる人物です。


つまり、三島溝咋耳は、事代主神の義父または岳父にあたる存在として描かれています。

また、 三島溝咋耳は、八咫烏・賀茂建角身・大山祇などと同一視されることがあり、導きの神・海神・製鉄神としての性格を持っています。


大阪府茨木市の溝咋神社では、三島溝咋耳が相殿神として祀られ、事代主神との関係が強調されています。また、五十鈴媛命や伊須気余理比売との関係性から、「溝咋」=「御十」=「神饌」=「御饌津神」といった象徴的連関が見られ、事代主神との融合的解釈も可能です。


三島溝咋耳の「溝咋」とは文字通り「溝を掘削するという意味です。

このブログでは、すでに三島溝咋耳は、 三島溝咋耳は、八咫烏・賀茂建角身・大山祇

第274話:八咫烏もウツシコオ   第275話:事代主もウツシコオ 第280話:建角身命もウツシコオ


邪馬台国の時代に高度な土木工事の技術を持っていたのは秦氏しかいません。

第425号:秦氏と大山咋神では、「大山咋神のとは土木工事のことだと思い当たりました。三島の溝杭は三島湟とも書きます。秦氏は、土木工事を得意とした一族だと思われます。「山咋」の意味については、「山杙」を意味し、山頂の境界をなす棒杙の神格化とする説、また、山頂で行う祭に依代として打ち込む斎杭の神格化とする説があります。」と書きました。三島溝咋耳=大山咋神=スサノオ(津田の王ウツシコオ(内色許男命)は、秦氏のトップでもあったのです。


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五社水路は、古代にこの水路を境として「嶋上郡」と「嶋下郡」の郡界が引かれ、現在の高槻市と茨木市の境界にも引き継がれています。

水路沿いからは太田茶臼山古墳(宮内庁は継体天皇陵に治定)を望むことができます。


この地域は、古事記に、登場する三島溝咋耳や玉櫛姫の伝承地であり、治水と王権神話が交差する土地柄です。実際に、玉櫛、五十鈴、天王という地名が今でも残っています。


  • 「五社井堰」と「一ノ堰」の二大堰が安威川中流域にあり、五社井堰は左岸側の五社組七ヶ村を灌漑しています。

  • 旧七ヶ村が「五社組」という水利組合を組織し、命がけで水路を維持・管理してきました。

  • 富田台地の中央低地にある筒井池(紅屋池)へ流れ込み、そこから各地に分水する仕組みです。水路と古墳群の位置関係は、当時の権力構造や土地利用を考える上で重要な手がかりとなります。

  • 名称の「五社」とは、富田・宮田・東五百住・西五百住・赤大路の五地区を指すとされます。この辺りは、第225話:摂津富田~登美の里で書いたようにJR摂津富田の駅近くに「登美の里」という地区があります。〒569-0812

    登美は長髄彦の関連のある地です。古事記では那賀須泥毘古(長脛彦)は登美能那賀須泥毘古(とみのながすねびこ)、登美毘古(とみびこ)とも表記されています。


※三島溝咋耳の「三島」は「御島」で邪馬台国のことです。


関連項目:第43話:三島の溝杭 ~茨木市


これまでの記事はこちらです。


※このブログは、御牧国(ミマキ国)が邪馬台国であるという前提の上で書いています。

・ミマキ国は、守口、寝屋川、茨木、吹田、高槻、枚方、交野です。

※このブログでは、魏志倭人伝:古事記・日本書紀の登場人物は三人だけとしています。

 ~古事記、日本書紀の作者(編纂者ではない)たちも魏志倭人伝しか資料がなかったのです。

記紀の登場人物をスサノオ(津田の王ウツシコオ(内色許男命)=難升米、卑弥呼=天照大神、台与(豊)に当てはめる作業をしているのです。

※台与とウツシコオのコンビとは、以下です。前者が台与です。

神武天皇と八咫烏、フツヌシとタケミカズチ、神功皇后 武内宿祢、応神天皇と武内宿祢、

アメノウズメと猿田彦、ニギハヤヒ(饒速日)とナガスネヒコ(長髄彦)

聖徳太子と蘇我馬子・秦河勝、五十猛(イタケル)とスサノオ(素戔嗚)

※台与(豊)は魏志倭人伝に書かれいる13歳で邪馬台国の大王(天皇)に即位した人物のことです。

※ウツシコオは魏志倭人伝に書かれている難升米のことです。

・今までのところ矛盾なくここまて書き続けています。矛盾している箇所があれば、その矛盾点をヒントとして次の記事としています。 


<目次>




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2件のコメント

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tootake
9月15日
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tootake
9月14日
5つ星のうち5と評価されています。

<これまでウツシコオ(内色許男命)スサノオ(津田の王であることが判明した人物>


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