穂高・佐久・上高地:地名の由来
- tootake
- 10月13日
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更新日:10月13日
第834話 #安曇#碓井峠
穂高神社(ほたかじんじゃ)は、長野県安曇野市穂高にあります。
松本市安曇の上高地に奥宮、奥穂高岳山頂に嶺宮があることから、「日本アルプスの総鎮守」ともされています。奥穂高岳の山頂に嶺宮があるのは、穂高見命が降臨したからされています。
祭神は、穂高見命(ほたかみのみこと)で 別名は宇都志日金拆命(うつしひかなさくのみこと)。穂高見命の父は、日本神話の海の神、綿津見命(わたつみのみこと)。
穂高見命の子孫である海人族・阿曇氏(あずみうじ)は玄界灘に君臨していたとされ、福岡市・志賀島の志賀海神社は、全国の綿津見神社、海神社の総本社です。
なぜ海人族・安曇氏が山国の安曇野に入植したのかについては、謎とされているのですが私には思い当たることがあります。第361話:宇都志国玉神と宇都志日金拆命で宇都志日金拆命は、スサノオ(津田の王)=ウツシコオ(内色許男命)としました。
なぜ、海人族・安曇氏が日本アルプスに来たのかというと、目的は木材です。
第830話:金太郎と台与で書いたように金太郎(坂田金時)を発見したのは碓井貞光です。このとき碓井貞光は「樵(きこり)に身をやつし」と書かれています。樵=木こりは、古代には、杣(そま)と呼ばれていました。杣は、古代から中世にかけて存在した木こりや林業従事者の集団を指す言葉で、特に山林の管理や伐採を担った人々を意味します。現代でも「杣組(そまぐみ)」などの名称で活動する林業団体があります。
素戔嗚の子とされる五十猛神(イタケル)は、木を多量に植えたとされています。
日本書紀には、次のような記載があります。
スサノオ命とともに高天原を追放され、新羅(韓国)に降臨した際、多くの木の種を持参していた。しかし、新羅の地を気に入らず、木の種を植えずに日本へ持ち帰り、筑紫(九州)から始めて全国に木を植えた。その結果、「ことごとく青山に成した(国中を緑豊かな山にした)」とされ、五十猛神は「有功神(いきおしのかみ)」とも称された。この神話は、五十猛神が日本列島の森林の守護神・創造神として位置づけられていることを示しています。
五十猛神が、木を植えたのは、船を作るためでした。
日本書紀:応神天皇紀*に、枯野(からの)という船のことが書かれています。軽く速く進むことから名付けられたとされます。船の長さは十丈(約30メートル)完成後、海に浮かべると「軽く浮かび、疾く行くこと馳るが如し」と記されるほどの高速船であったとそうです。枯野(からの)というのは、「軽野(かるの)」が訛って「枯野」になったのではないかと推測されされています。*五十猛は台与です。~第736話:イタケルは台与(1)
*応神天皇も台与です。~第581話:応神天皇(第15代)は台与
枯野という船は、30メートルの一本の巨木をくりぬいて作られた船だと思われます。
その巨木があったのは、穂高であったと想像します。軽井沢は、木材の供給地として知られています。軽井沢は、木材の供給地として有名になったのは、江戸~明治で、大規模な植林を行い、木材供給地としての基盤を築いたのは、実業家の雨宮敬次郎と野澤源次郎です。特に雨宮は700万本ものカラマツを植林したことで知られています。
軽井沢の近くに千駄木遺跡(せんだぎいせき)があります。
群馬県安中市松井田町西野牧に所在する縄文時代の岩陰遺跡で、縄文人の狩猟活動と山間部での一時的な滞在を物語る重要な遺構です。
千駄木川の河岸段丘上にあり、自然に形成された岩陰(洞窟状の空間)で、雨露をしのげるようになっています。- 縄文時代前期~晩期のもので土器・石器、炉跡、動物の骨(シカ・イノシシなど)が見つかっています。縄文人が狩猟の際のベースキャンプとして利用したものと思われます。 狩猟文化と山地利用の実態を示す好例とされています。
この遺跡は、山間部における縄文人の生活様式や移動・狩猟の実態を知るうえで貴重な手がかりを提供してくれます。特に、軽井沢や碓氷峠周辺の「木こり」や「山の民」の文化を探る際にも、こうした岩陰遺跡は重要なものとされています。
碓井貞光は「樵(きこり)に身をやつし」ていたのは、碓井貞光も「杣(そま)」だったからでしょう。千駄木という地名からも、穂高では、古代から中世にかけて存在した木こり(林業従事者の集団)がいたのです。この杣(そま)も台与の支配下にあった土蜘蛛であったのです。
碓井峠の近辺には、有名な観光地の安曇野があります。第824話:穴太寺と穴太衆=土蜘蛛では、「穴太衆とは、台与(秦氏)の土木事業を請け負う工事人だったと思います。穴太衆は穴=鉱山の掘削もやって土蜘蛛ではないでしょうか。」としました。杣(そま)=穴太衆=安曇族=土蜘蛛ということです。
奥宮のある上高地もかつては神垣内(かみこうち)と記し、神域であることを意味していました。神とは、ウツシコオとその子(孫?)、台与のことです。
穂高見命=宇都志日金拆命(うつしかなさく)の「さく」は、農耕神(田の神)のことです。東北地方では「農神」(のうがみ)、甲信地方(山梨県・長野県)では「作神」(さくがみ)、近畿地方では「作り神」、但馬(兵庫県)や因幡(鳥取県)では「亥(い)の神」、中国・四国地方では「サンバイ(様)」また瀬戸内海沿岸では「地神」などとも別称されてきた。また、起源の異なる他の信仰と結びついて、東日本ではえびす、西日本では大黒をそれぞれ田の神と考える地域が多く、さらに土地の神(地神)や稲荷神と同一視されることもあります。ウツシコオと台与が、農業(稲作)を各地で推進していったことはこのブログで何度も書いています。~第483話:饒速日(ニギハヤヒ)は台与①~稲作
穂高の「穂」は、稲の穂でしょう。ウツシコオ(内色許男命)、饒速日は穂積氏の祖とされています。穂積は私が邪馬台国とする大阪府茨木市の地名です。
佐久市(さく)のさくの由来も、宇都志日金拆命からきているのです。
※ヤマトタケルの幼名は小碓命(おうすのみこと)で、「碓(うす)」という音が一致することから、「碓井峠」の「碓井」は小碓命に由来するという説が古くから存在します。
ただし、地名「碓氷(碓井)」は古くから存在し、「碓(うす)」=穀物を搗く道具、「氷(ひ)」=水の流れや谷を意味する古語とする地形由来説もあります。
そのため、「碓井=オウスの地」というのは後世の民間伝承や地名説話として形成された可能性が高いと考えられています。
これまでの記事はこちらです。
※このブログは、御牧国(ミマキ国)が邪馬台国であるという前提の上で書いています。
・ミマキ国は、守口、寝屋川、茨木、吹田、高槻、枚方、交野です。
※このブログでは、魏志倭人伝:古事記・日本書紀の登場人物は三人だけとしています。
~古事記、日本書紀の作者(編纂者ではない)たちも魏志倭人伝しか資料がなかったのです。
記紀の登場人物をスサノオ(津田の王)=ウツシコオ(内色許男命)=難升米、卑弥呼=天照大神、台与(豊)に当てはめる作業をしているのです。
※台与とウツシコオのコンビとは、以下です。前者が台与です。
神武天皇と八咫烏、フツヌシとタケミカズチ、神功皇后 武内宿祢、応神天皇と武内宿祢、
アメノウズメと猿田彦、ニギハヤヒ(饒速日)とナガスネヒコ(長髄彦)
聖徳太子と蘇我馬子・秦河勝、五十猛(イタケル)とスサノオ(素戔嗚)
※台与(豊)は魏志倭人伝に書かれいる13歳で邪馬台国の大王(天皇)に即位した人物のことです。
※ウツシコオは魏志倭人伝に書かれている難升米のことです。
・今までのところ矛盾なくここまて書き続けています。矛盾している箇所があれば、その矛盾点をヒントとして次の記事としています。
<目次>



関蝉丸神社 - Wikipedia
桃太郎神社 - 日本桃太郎会連合会 公式ホームページ
オオカムヅミ - Wikipedia
大縣神社 - Wikipedia
<これまでウツシコオ(内色許男命)=スサノオ(津田の王)であることが判明した人物>
第374話:牛鹿臣はウツシコオ! 第371話:彦狭島命~吉備児島
第372話:建日方別:彦狭嶋命 第369話:神武西征~健磐龍命
第365話:君が代(2):君はウツシコオ 第363話:彦はすべて、ウツシコオ
第324話:武内宿禰はウツシコオ!! 第325話:天之日矛はウツシコオ
第326話:大日彦(オホヒヒ彦)~守口 第327話:于道朱君の衝撃~新羅
第328話:沙至比跪(サチヒコ) 第329話:アメノヒボコはウツシコオ
第330話:投馬国とウツシコオ~丹波(但馬) 第331話:朱智神社~迦邇米雷王
第333話: 牛頭天王(スサノオ)はアメノヒボコ?
第380話:猿田彦は異国人 第401話:犬養氏:スサノオは天手力男神=野見宿禰
第335話: 天道根命は道祖神=ウツシコオ 第334話: 大彦は、五十猛!
第336話:大屋彦~根の国は和歌山 第337話:阿多賀田須命~宗像氏
第338話:月読命(ツクヨミ) 第349話:天児屋命はウツシコオ!!
第357話:武甕槌神(タケミカヅチ)考 第317話:ひょっとこ:火男~天之御影命
第318話:空海のルーツは内色許男命! 第319話:和知津美命はワタツミ!!
第320話:欠史八代はヤマト=三島 第230話:三嶋溝抗命たち(複数)
第231話:神八井耳命は三毛入野 第232話:内色許男命は武埴安彦命!
第274話:八咫烏もウツシコオ 第275話:事代主もウツシコオ?
第279話:開化天皇 第280話:建角身命もウツシコオ
第263話:中臣氏~中臣烏賊津 第256話:ウガヤフキアエズのミコト
第244話:大津神社と建南方富命 第245話:豊御気主命は三毛入野!
第246話:高御産巣日神(高木神) 第247話:今迦毛大御神と天若日子
第249話:物言えぬ皇子~阿遅須枳高日子 第251話:猿田彦は塩土老翁神
第252話:迦毛大御神は崇神天皇! 第253話:キサガイヒメはウツシコオの母!
第354話:伊勢津彦はタケミナカタ =ウツシコオ 第254話:興玉命も内色許男命
第361話:宇都志国玉神と宇都志日金拆命 第394話:天御鳥命(武夷鳥命)は火の鳥
第395話:天日鷲命は、、、 第397話:獲加多支鹵大王(ワカタケル) =雄略天皇
◎hidemaru3375.com/post/ヒコユキからウツシコオへの過程