大八島国と土蜘蛛
- tootake
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第800話
大八島国は古事記に出てくる言葉で、日本列島を表す言葉です。日本書紀では「大八洲国(オオヤシマグニ)」
大八島国とは下記です。
淡道之穂之狭別島(淡路島)、伊予之二名島(四国)、隠伎之三子島(隠岐の島)、
筑紫島(ツクシシマ=九州)、伊伎島(壱岐島)、津島(対馬)、佐渡島(佐渡ヶ島)
大倭豊秋津島(本州)
「ここで、奇妙に感じることは、出雲国が大八島国に含まれていないことだ。」と言われるのは、考古学者の森浩一氏です。「日本神話の考古学」P18
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土蜘蛛は古事記、日本書紀では、下記のような場所で登場します。
奈良県大和郡山市周辺、奈良県御所市古瀬、奈良県御所市長柄、尾張邑(葛城)=奈良県葛
記紀に記載される土蜘蛛の人数は、12人で、大分県5人、奈良県4人、福岡県2人、長崎県1人となっています。各地の風土記で見ると、土蜘蛛が登場する記事の数を見ると、肥前(長崎、佐賀)が11件、豊後(大分県)は8件です。
土蜘蛛の人口分布は、奈良県と九州です。奈良と九州は、大朱の産地です。
土蜘蛛は単なる「まつろわぬ民」ではなく、地域ごとの神話的役割・政治的立場・文化的背景を持った複雑な存在であることがわかります。特に日向国の大鉗・小鉗のように、天孫に知恵を授ける土蜘蛛は、他の風土記とは一線を画します。
・日向国風土記逸文~ 瓊々杵尊の天孫降臨時、暗闇を晴らす知恵を授けた土蜘蛛。敵対せず貢献する。
・豊後国風土~ 日田郡・直入郡などに居住。景行天皇に抵抗した者と恭順した者が混在。| ・肥前国風土記~海産物を献上して恭順する例もあれば、壮絶な抵抗の末に討伐される例も。
・常陸国風土記~国栖(くず)と土蜘蛛が同義とされる | 土蜘蛛=国津神の系譜とされている。
・越後国風土記逸文~「脛の長さ八掬、力多く太だ強し」と異形の姿で描写
・丹後国風土記残欠~ 陸耳御笠(くがみみのみかさ)
葛城の土蜘蛛は「身短くして足長し」と記され、小人のような姿です。第52話:小人国 ~葛城では、「小人のような土蜘蛛は鉱山労働者ではないかと、「青銅の神の足跡」の中で谷川健一氏は述べられておられます。狭い鉱山の中では小人の方が仕事がしやすいのです。そう言えばディズニーの「白雪姫と7人の小人」の小人は鉱山業者でした。つるはし担いでハイホー、ハイホー」と書いています。
土蜘蛛は、神武天皇に帰順しなかったため誅殺とされています。しかし、土蜘蛛は土木工事の労働者だったのではないのでしょうか。秦一族(台与)の土木工事を実際に行ってたのは土蜘蛛だったと思われます。
土蜘蛛の首長とされる居勢祝(こせのはふり)は、居勢(奈良県御所市古瀬:こせ)に拠点を置く、 古代豪族・巨勢氏(こせうじ)です。 巨勢氏は孝元天皇の子孫とされ、武内宿禰の次男・許勢小柄宿禰を祖とする皇別氏族です。 後に朝臣姓を賜り、飛鳥・奈良時代に政界で活躍しています。
そして今回、大八島国と土蜘蛛について書いたかというと、どちらも出雲と全く関係がないということです。出雲風土記は欠損しておらず完本が伝わっていますが、土蜘蛛の記事はありません。その理由は出雲に朱の産地がないことです。出雲には鉱山はなく、したがって鉱山で働く労働者=土蜘蛛もいないわけです。そして大穴(=鉱山)持ち=オオナムチ=大国主もいるはずがないのです。
(藤原不比等?)は、このオオナムチ=大穴持ちをヒントにして大国主なる神を創作し、そのことを本当のように思わせるために、わざわざ島根県に杵築大社(出雲大社)を創建したというのが私の持論です。~第787話:中臣鎌足は、
関連項目:第610話:鉱物と邪馬台国(8):高尾張と高倉山
:第603話:鉱物と邪馬台国(1)~出雲と鉄
:第799話:大国主と出雲の嘘
:第562話:大国主:創られた神
これまでの記事はこちらです。
※このブログは、御牧国(ミマキ国)が邪馬台国であるという前提の上で書いています。
・ミマキ国は、守口、寝屋川、茨木、吹田、高槻、枚方、交野です。
※このブログでは、魏志倭人伝:古事記・日本書紀の登場人物は三人だけとしています。
~古事記、日本書紀の作者(編纂者ではない)たちも魏志倭人伝しか資料がなかったのです。
記紀の登場人物をスサノオ(津田の王)=ウツシコオ(内色許男命)=難升米、卑弥呼=天照大神、台与(豊)に当てはめる作業をしているのです。
※台与とウツシコオのコンビとは、以下です。前者が台与です。
神武天皇と八咫烏、フツヌシとタケミカズチ、神功皇后 武内宿祢、応神天皇と武内宿祢、
アメノウズメと猿田彦、ニギハヤヒ(饒速日)とナガスネヒコ(長髄彦)
聖徳太子と蘇我馬子・秦河勝、五十猛(イタケル)とスサノオ(素戔嗚)
※台与(豊)は魏志倭人伝に書かれいる13歳で邪馬台国の大王(天皇)に即位した人物のことです。
※ウツシコオは魏志倭人伝に書かれている難升米のことです。
・今までのところ矛盾なくここまて書き続けています。矛盾している箇所があれば、その矛盾点をヒントとして次の記事としています。
<目次>

<これまでウツシコオ(内色許男命)=スサノオ(津田の王)であることが判明した人物>
第374話:牛鹿臣はウツシコオ! 第371話:彦狭島命~吉備児島
第372話:建日方別:彦狭嶋命 第369話:神武西征~健磐龍命
第365話:君が代(2):君はウツシコオ 第363話:彦はすべて、ウツシコオ
第324話:武内宿禰はウツシコオ!! 第325話:天之日矛はウツシコオ
第326話:大日彦(オホヒヒ彦)~守口 第327話:于道朱君の衝撃~新羅
第328話:沙至比跪(サチヒコ) 第329話:アメノヒボコはウツシコオ
第330話:投馬国とウツシコオ~丹波(但馬) 第331話:朱智神社~迦邇米雷王
第333話: 牛頭天王(スサノオ)はアメノヒボコ?
第380話:猿田彦は異国人 第401話:犬養氏:スサノオは天手力男神=野見宿禰
第335話: 天道根命は道祖神=ウツシコオ 第334話: 大彦は、五十猛!
第336話:大屋彦~根の国は和歌山 第337話:阿多賀田須命~宗像氏
第338話:月読命(ツクヨミ) 第349話:天児屋命はウツシコオ!!
第357話:武甕槌神(タケミカヅチ)考 第317話:ひょっとこ:火男~天之御影命
第318話:空海のルーツは内色許男命! 第319話:和知津美命はワタツミ!!
第320話:欠史八代はヤマト=三島 第230話:三嶋溝抗命たち(複数)
第231話:神八井耳命は三毛入野 第232話:内色許男命は武埴安彦命!
第274話:八咫烏もウツシコオ 第275話:事代主もウツシコオ?
第279話:開化天皇 第280話:建角身命もウツシコオ
第263話:中臣氏~中臣烏賊津 第256話:ウガヤフキアエズのミコト
第244話:大津神社と建南方富命 第245話:豊御気主命は三毛入野!
第246話:高御産巣日神(高木神) 第247話:今迦毛大御神と天若日子
第249話:物言えぬ皇子~阿遅須枳高日子 第251話:猿田彦は塩土老翁神
第252話:迦毛大御神は崇神天皇! 第253話:キサガイヒメはウツシコオの母!
第354話:伊勢津彦はタケミナカタ =ウツシコオ 第254話:興玉命も内色許男命
第361話:宇都志国玉神と宇都志日金拆命 第394話:天御鳥命(武夷鳥命)は火の鳥
第395話:天日鷲命は、、、 第397話:獲加多支鹵大王(ワカタケル) =雄略天皇
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