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関東の邪馬台国3~田井氏

  • tootake
  • 8月6日
  • 読了時間: 6分

第766話 #田坐神社 #養蚕発祥の地 #呉服漢織


第764話:関東にある邪馬台国(1)~埼玉では、「秩父神社は、古代から続く神社であると同時に、中世以降は妙見信仰の中心地としても栄えました。妙見信仰は北極星・北斗七星を神格化した星辰信仰で、武士団養蚕農家に広く支持されてきました。」と書きました。


武士団については、秩父を中心に「丹党」と称する武士団の活動が記録にみえます。丹党とは、円子氏、丹氏、新里氏、榛沢氏、安保氏、長浜氏、勅使河原氏、中村氏、中山氏、大関氏、加治氏、横瀬氏、薄氏、小鹿野氏、大河原氏、青木氏、小串氏、志村氏などの氏族です。そして、丹党の氏族の中にで田井氏が存在していることに気が付きました。

田井氏は加地氏庶流とする説がありますが、 加治氏と田井氏は、いずれも佐々木盛綱を祖とする宇多源氏・佐々木氏流に属する一族です。本姓は多治比真人(たじひのまひと) で 宣化天皇の後胤とさるれ、古代氏族の系譜を引く、極めて重要な一族です。


大阪府の松原市に田坐神社があり、この神社が、実は日本で養蚕発祥の地とされています。

田坐神社のある地名は松原市田井城です。田井城は律令制の土地区画である条里制遺構がいまでも各所に残っていることで有名です。歩いていると見過ごしますが、地形図などで確かめると、農地の畔や道路区画、あるいはため池の1辺が約650メートルのほぼ正方形をなすものが見られます。これは、条里制の1里の1辺が約648メートルであることとほぼ一致しています。 条里制が整然と存在していたということは、奈良時代には田井城に計画的な集落と農地が土地割りされていたことを想定させます。


田坐神社(たざじんじゃ)は、4世紀にまで遡る古い歴史を持つ神社です。この田坐神社は、古代の条里制遺構「田井城」の中心に鎮座しており、田井氏の奉斎社と考えられています。田井氏、 加治氏など秩父を中心に「丹党」と称する武士団は、前回:関東の邪馬台国2~上殖葉皇子で書いたように、元々は、大阪府松原市(河内国丹比郡依羅郷)を出自とする者たちです。


実は、この田坐神社「日本における養蚕発祥の地」とも言われています。養蚕とは蚕を育てて、その繭から絹の糸を作り出すことです。


田坐神社の祭神は、実のところよく分かっていません。現在のところ、依羅宿禰(よさみすくね)、呉服漢織(くれはあやは)、八幡神(応神天皇)、豊宇気昆売神(とようけびめ)

とされています。依羅宿禰はウツシコオ(内色許男命)スサノオ(津田の王で、豊宇気昆売神は台与(豊)です。


依羅宿禰(よさみのすくね)は、大阪住吉区から松原市北部を本拠地とする古代氏族として知られています。大阪住吉区には依羅宿禰が創建したとされる大依羅神社(おおよさみ神社:大阪市住吉区)があります。呉服漢織(くれは・あやはとり)は、日本書紀に登場する絹織物の女性技術者「呉織」「漢織」と考えられています。


祭神の呉服漢織の「呉織」「漢織」は日本書紀に2回登場しています。1回目は応神天皇の項に登場し、呉国に派遣された阿知使主・都加使主親子が派遣され、呉王から兄媛・弟媛・呉織・穴織の4人の縫工女を与えられたと記されています。2回目は雄略天皇の項において、身狭村主青が呉国(中国)から献上された兄媛・弟媛・呉織・穴織の4人の技術者を連れて大阪の住吉津へ帰国し、呉からの客人の為に道を作り、八尾方面から飛鳥へ向かったと記されています。


当時の日本は、養蚕から絹織りまでの技術が確立されていなかったようで、他国より絹織物の女性技術者を招来していたようです。江戸時代に書かれた「田井城村初り」「田坐神社の事付 蚕を飼事」という地元の文書には、「呉織」「穴織」に関する伝承が記されています。


田坐において織女は、多くの桑の木をこの地に植えて蚕を飼育し、絹糸を生産。当時、田井城を治めていた依羅宿禰に蚕生産を管理させたといわれています。田坐神社において依羅宿禰が祭神の一人とされる由来は、この事からきているようです。


境内にある田坐神社由来の石碑によれば「仁徳天皇がこの地に行幸せられ、綾織を見給い、その折の殿舎仮宮のいわれにより田坐と称した」と記されています。また、境内の案内板には「和妙抄によると河内国丹比郡田邑(多無良:たむら)にあたり、田の中に存する神、田に坐す神から社名が生まれた」とも伝わっています。


田坐神社は1908年に柴籬神社に合祀され、その後再び旧地に復帰しています。しかし柴籬神社には、現在も田坐神社の社が残されています。柴籬神社の本殿左側に奥に続く通路があり、そこを抜けると「式内 田座神社」と書かれた石碑と社が存在しています。

この地は大津道(長尾街道)と丹比道(竹内街道)のほぼ中央に位置し、古の松原荘の内にて大和政権の第18代反正天皇(はんぜいてんのう)の皇居跡で、5年間この地に都を置き河内王朝最後の都として、また古事記、日本書紀に丹比柴離宮とあるはここのことです。


なお、第481話:継体天皇は台与3~田井(寝屋川市)では、田井は大阪府寝屋川市としています。この寝屋川市近辺は、茨田堤(まんだのつつみ)の重要な地です。茨田堤は仁徳天皇(台与)が洪水や高潮を防ぐことを目的として、淀川に築いたとされている堤防のことです。このブログでは、これまでに何度か記事にしています。~第202話:茨田堤 第412話:ヤマタノオロチは淀川~茨田堤2 第747話:浅草と枚方:茨田堤:武蔵の人・強頸



※これまでの記事はこちらです。


※このブログは、御牧国(ミマキ国)が邪馬台国であるという前提の上で書いています。

・ミマキ国は、守口、寝屋川、茨木、吹田、高槻、枚方、交野です。

※このブログでは、魏志倭人伝:古事記・日本書紀の登場人物は三人だけとしています。

 ~古事記、日本書紀の作者(編纂者ではない)たちも魏志倭人伝しか資料がなかったのです。

記紀の登場人物をスサノオ(津田の王ウツシコオ(内色許男命)=難升米、卑弥呼=天照大神、台与(豊)に当てはめる作業をしているのです。

※台与とウツシコオのコンビとは、以下です。前者が台与です。

神武天皇と八咫烏、フツヌシとタケミカズチ、神功皇后 武内宿祢、応神天皇と武内宿祢、

アメノウズメと猿田彦、ニギハヤヒ(饒速日)とナガスネヒコ(長髄彦)

聖徳太子と蘇我馬子・秦河勝、五十猛(イタケル)とスサノオ(素戔嗚)

・今までのところ矛盾なくここまて書き続けています。矛盾している箇所があれば、その矛盾点をヒントとして次の記事としています。 


<目次>




ree

 
 
 

2 Comments

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tootake
Aug 06
Rated 5 out of 5 stars.

履中天皇(第17代)~大江

田井之中比売=忍坂大中姫

「中」が名前に入っている人物には、田井之中比売、忍坂大中姫、吉仲皇子(すみのえのなかつおうじ)、仲哀天皇(たらしなかつひこのすめらみこと)、河派仲彦(かわまた・なかつひこ

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tootake
Aug 05
Rated 5 out of 5 stars.

<これまでウツシコオ(内色許男命)スサノオ(津田の王であることが判明した人物>


第374話:牛鹿臣はウツシコオ!   第371話:彦狭島命~吉備児島

第372話:建日方別:彦狭嶋命  第369話:神武西征~健磐龍命

第365話:君が代(2):君はウツシコオ   第363話:彦はすべて、ウツシコオ

第324話:武内宿禰はウツシコオ!!  第325話:天之日矛はウツシコオ

第326話:大日彦(オホヒヒ彦)~守口  第327話:于道朱君の衝撃~新羅

第328話:沙至比跪(サチヒコ)  第329話:アメノヒボコはウツシコオ

第330話:投馬国とウツシコオ~丹波(但馬)  第331話:朱智神社~迦邇米雷王

第333話: 牛頭天王(スサノオ)はアメノヒボコ?

第380話:猿田彦は異国人     第401話:犬養氏:スサノオは天手力男神=野見宿禰

第335話: 天道根命は道祖神=ウツシコオ 第334話: 大彦は、五十猛! 

第336話:大屋彦~根の国は和歌山  第337話:阿多賀田須命~宗像氏

第338話:月読命(ツクヨミ)      第349話:天児屋命はウツシコオ!!

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第318話:空海のルーツは内色許男命!   第319話:和知津美命はワタツミ!!

第320話:欠史八代はヤマト=三島    第230話:三嶋溝抗命たち(複数)

第231話:神八井耳命は三毛入野    第232話:内色許男命は武埴安彦命!

第274話:八咫烏もウツシコオ   第275話:事代主もウツシコオ?

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第361話:宇都志国玉神と宇都志日金拆命  第394話:天御鳥命(武夷鳥命)は火の鳥

第395話:天日鷲命は、、、  第397話:獲加多支鹵大王(ワカタケル) =雄略天皇


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