関東にある邪馬台国(1)~埼玉
- tootake
- 8月4日
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更新日:8月5日
第764話 #秩父 #八意思兼命 #ウツシコオ
秩父神社は、古代から続く神社であると同時に、中世以降は妙見信仰の中心地としても栄えました。妙見信仰は北極星・北斗七星を神格化した星辰信仰で、武士団*や養蚕*農家に広く支持されてきました。祭神は、八意思兼命(やごころおもいかねのみこと)です。
・八意思兼命とは、ウツシコオ(内色許男命)=スサノオ(津田の王)のことです。第3話:ウツシコオは魏志倭人伝に登場する難升米!~京都府八幡市
・ウツシコオと妙見信仰については、第379話:宇佐神宮・北辰の神・豊日別宮ですでに述べています。
・養蚕については、第499話:木嶋坐天照御魂神社と日神の託宣で秦氏との関連についてに述べています。~木嶋坐天照御魂神社は、京都市右京区太秦森ケ東町にあることからも分かるように秦氏とも関係が深い神社です。近くには広隆寺・松尾大社・蛇塚古墳などの秦氏ゆかり史跡があります。本殿の東隣に鎮座する蚕養神社は、この秦氏が招来した養蚕・機織・染色技術に因むと推測されています。
秩父は養蚕で栄えた地域で、妙見菩薩は桑の枝を持つ女神として養蚕神と習合します。
秩父神社の妙見信仰は、武士団の軍神信仰・養蚕農家の生活信仰・秩父盆地の水と山の自然信仰が融合した重層的な信仰体系です。秩父夜祭はその象徴であり、妙見菩薩と龍神の逢瀬という神話的物語を通じて、地域の風土と信仰を祝う壮大な祭礼なのです。
秩父の地名の由来としては、万葉集で秩父が歌枕「乳人」として詠まれることから、同じ読み「ちちぶ」に由来するとする説、乳(ちち)は「くびき(轡:馬具のくつわ)」を意味し、馬の交通が盛んだった秩父の地形や風土と結びつけて解釈されるなどの諸説がありますが、私は、武乳速之命(たけちはやのみこと)に由来するのではと思っています。
~第444話:ちはやふる天児屋命は長髄彦~添御県坐神社
長髄彦(ナガスネヒコ)を祀る神社が生駒山の東山麓の鳥見の丘(奈良県奈良市三碓)にあります。添御県坐神社(そうの・みあがた・にいます)は、延喜式神名帳に「大社」として掲載される極めて格式の高い古社です。祭神である武乳速之命(たけちはやのみこと)は、長髄彦と言われ地元では皇統だと伝承されています。
武乳速命(たけちはやのみこと)の別名が天児屋命であることはウイキペディアにも書いてあります。天児屋命 - Wikipedia つまり武乳速之命=天児屋命=長髄彦=ウツシコオ(内色許男命)=スサノオ(津田の王)というわけです。
埼玉(さいたま)の語源には諸説ありますが、有力な説のひとつが、「幸魂(さきみたま)」に由来するというものです。
前玉神社(埼玉県行田市)は、浅間塚古墳の上に鎮座しており、古墳時代の豪族の霊を祀る場とも考えられています。延喜式には「幸魂神社」として記載されており、式内社としての格式も持っています。 万葉集にも「佐吉多万(さきたま)」の地名が登場し、古代から歌に詠まれるほどの文化的重要性がありました。
埼玉県章は、勾玉を円形に並べたデザインで、「魂=玉」の象徴として「幸魂」の意味を込めています。
このように、「埼玉」という地名には神霊的な祝福の意味が込められており、単なる地理的名称ではなく、古代信仰と文化の深層が息づく言葉なのです。「幸魂(さきみたま)」とは、人々に幸福や繁栄をもたらす神霊のこと。
この語が転じて「さきたま」となり、さらに平安時代以降の音便変化で「さいたま」と読まれるようになったと考えられています。
<蛇足の追記>養蚕と台与
建葉槌命(たけはづちのみこと)と倭文神(しとりがみ)は、『古語拾遺』や『日本書紀』における天羽槌雄神(あまのはづちおのかみ)の別名であり、機織りの祖神として信仰されています。
古典文献には「機織りの祖神」としての記述が中心で、直接「養蚕神」であるとは書かれていません。しかし、絹織物を生産する地域では、糸を得る養蚕(蚕の飼育)と織布が一体の産業であるため、機織り神を糸づくり全般の守護神としても扱う例が見られるます。
建葉槌命/倭文神は主に織物技術を司る機織り神であり、古典に「養蚕神」としての直接的な記述もありません。ただし実際の村落や氏族神社では、織布と養蚕をまとめて守る神として同一視されるケースもあります。
日本書紀では建葉槌命(たけはづちのみこと)、倭文神(しとりがみ)、古語拾遺では天羽槌雄神とされ、新撰姓氏録止与波知命(とよはちのみこと)、武羽槌命(たけはづちのみこと)、止与波豆知命(とよはづちのみこと)とあります。止与波豆知命(とよはづちのみこと)は台与(豊)です。{参考文献}天羽槌雄神 – Wikipedia
*早稲田大学文学部の教授であった松田壽男氏の「丹生の研究―歴史地理学から見た日本の水銀」(早稲田大学出版部)によりますと、埼玉県には、丹生神社が22社もあり、和歌山県に次いで二番目に多い県です。丹生神社の多さは、日本列島のを横断する「秩父帯」が朱(水銀)の採掘地であったことを示唆しています。平安、鎌倉時代になると秩父を中心に「丹党」と称する武士団の活動が記録にみえます。
次回に続く→関東の邪馬台国2~上殖葉皇子
※これまでの記事はこちらです。
※このブログは、御牧国(ミマキ国)が邪馬台国であるという前提の上で書いています。
・ミマキ国は、守口、寝屋川、茨木、吹田、高槻、枚方、交野です。
※このブログでは、魏志倭人伝:古事記・日本書紀の登場人物は三人だけとしています。
~古事記、日本書紀の作者(編纂者ではない)たちも魏志倭人伝しか資料がなかったのです。
記紀の登場人物をスサノオ(津田の王)=ウツシコオ(内色許男命)=難升米、卑弥呼=天照大神、台与(豊)に当てはめる作業をしているのです。
※台与とウツシコオのコンビとは、以下です。前者が台与です。
神武天皇と八咫烏、フツヌシとタケミカズチ、神功皇后 武内宿祢、応神天皇と武内宿祢、
アメノウズメと猿田彦、ニギハヤヒ(饒速日)とナガスネヒコ(長髄彦)
聖徳太子と蘇我馬子・秦河勝、五十猛(イタケル)とスサノオ(素戔嗚)
・今までのところ矛盾なくここまて書き続けています。矛盾している箇所があれば、その矛盾点をヒントとして次の記事としています。
<目次>



田井氏 - 姓氏家系メモ
<これまでウツシコオ(内色許男命)=スサノオ(津田の王)であることが判明した人物>
第374話:牛鹿臣はウツシコオ! 第371話:彦狭島命~吉備児島
第372話:建日方別:彦狭嶋命 第369話:神武西征~健磐龍命
第365話:君が代(2):君はウツシコオ 第363話:彦はすべて、ウツシコオ
第324話:武内宿禰はウツシコオ!! 第325話:天之日矛はウツシコオ
第326話:大日彦(オホヒヒ彦)~守口 第327話:于道朱君の衝撃~新羅
第328話:沙至比跪(サチヒコ) 第329話:アメノヒボコはウツシコオ
第330話:投馬国とウツシコオ~丹波(但馬) 第331話:朱智神社~迦邇米雷王
第333話: 牛頭天王(スサノオ)はアメノヒボコ?
第380話:猿田彦は異国人 第401話:犬養氏:スサノオは天手力男神=野見宿禰
第335話: 天道根命は道祖神=ウツシコオ 第334話: 大彦は、五十猛!
第336話:大屋彦~根の国は和歌山 第337話:阿多賀田須命~宗像氏
第338話:月読命(ツクヨミ) 第349話:天児屋命はウツシコオ!!
第357話:武甕槌神(タケミカヅチ)考 第317話:ひょっとこ:火男~天之御影命
第318話:空海のルーツは内色許男命! 第319話:和知津美命はワタツミ!!
第320話:欠史八代はヤマト=三島 第230話:三嶋溝抗命たち(複数)
第231話:神八井耳命は三毛入野 第232話:内色許男命は武埴安彦命!
第274話:八咫烏もウツシコオ 第275話:事代主もウツシコオ?
第279話:開化天皇 第280話:建角身命もウツシコオ
第263話:中臣氏~中臣烏賊津 第256話:ウガヤフキアエズのミコト
第244話:大津神社と建南方富命 第245話:豊御気主命は三毛入野!
第246話:高御産巣日神(高木神) 第247話:今迦毛大御神と天若日子
第249話:物言えぬ皇子~阿遅須枳高日子 第251話:猿田彦は塩土老翁神
第252話:迦毛大御神は崇神天皇! 第253話:キサガイヒメはウツシコオの母!
第354話:伊勢津彦はタケミナカタ =ウツシコオ 第254話:興玉命も内色許男命
第361話:宇都志国玉神と宇都志日金拆命 第394話:天御鳥命(武夷鳥命)は火の鳥
第395話:天日鷲命は、、、 第397話:獲加多支鹵大王(ワカタケル) =雄略天皇
◎hidemaru3375.com/post/ヒコユキからウツシコオへの過程