邪馬台国の水軍(1):阿万氏
- tootake
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更新日:4 日前
阿毎、阿万、海人はすべて「あま」と読みます。「あま」は、記紀で出てくる「天:あめ、あま」のことでしょう。前回:阿万(あま)氏では阿万氏の事を述べました。今回は、阿万氏と海人族の関係を考えてみます。
結論から言うと、「阿万氏=海人族」という一次史料レベルの同定は、いまのところ確定できません。ただし、阿万(あま)という音韻、分布や祭祀の痕跡、そして古代から中世にかけての海人系ネットワークの在り方を踏まえると、阿万氏が海人族と接点(通婚・従属・協力・信仰の共有など)を持っていた可能性は十分に検討に値します。以下、確実な史実と、そこから導ける検証ポイントを整理します。
・海人族とは何か(前提)
古代から中世にかけての日本各地に、漁撈・航海・水運・製塩・海上輸送・水軍などを担った専門的な海民集団(海人族)が存在し、氏族化して朝廷や地域権力と結びつきました。著名な例が安曇(阿曇)氏や海部(あまべ)氏です。
とくに安曇(阿曇)氏は、志賀島(福岡)の海神=綿津見神の総本宮ともされる志賀海神社を氏神とし(神職は安曇氏が継承)、朝廷から「海人の宗」(海人の統率氏)に任じられたと伝えられる、典型的な海人系大氏族です。
第314話:海人族~ワタツミでは、阿曇連は、古事記では「阿曇連はその綿津見神の子、宇都志日金柝命(うつしひかなさくのみこと)の子孫なり」と記され、新撰姓氏録では「安曇連は綿津豊玉彦の子、穂高見命の後なり」と記されています。
この宇都志日金柝命(穂高見命)の宇都志(ウツシ)はウツシコオ(内色許男命)を思わせます。と書いています。
第364話:君が代(1)~志賀海神社では、「安曇の君はウツシコオ(内色許男命)=スサノオ(津田の王)であることは明らかです。磯良(いそら)は阿曇磯良も天児屋根つまりウツシコオ(内色許男命)=スサノオ(津田の王)です。」と書きました。
例によってAI(GTP-4)に阿万氏について書いてもらいました。
※中世水軍勢力としての阿万氏の軍事・海上交易拠点
中世期、阿万氏は南海の水軍領主(海人=あま)として、淡路国南部一帯に「阿万荘」を領し、海上交通と沿岸防衛を一手に担いました。以下、主な拠点と機能を整理します。
1. 阿万荘(みくりや)と阿万浦拠点
阿万氏は阿万荘地頭として南あわじ市阿万地域を支配。荘園制下で海上諸権利(船舶通航徴税・海上警固)を公認されました。
主力港は阿万浦(あまのうら)で、潮流が穏やかな湾入り口に位置。倉庫や船隠し壕(ほら)を備え、商船や軍船を収容していまた。
2. 軍船・水軍体制
小型の快速船を複数保有し、船団を編制。水夫(あまびと)を始め、武装した足軽や侍が乗り組んで海賊(倭寇)・外洋勢力への防衛に当たっていました。
沿岸には見張り台や烽(のろし)台を設け、鳴動・狼煙で近隣拠点と連絡を取り合うことで迅速な出動を可能にしました。
3. 海上交易のハブ機能
阿万浦は播磨・淡路・紀伊・四国を結ぶ海路の中継点。塩・海産物を本国(畿内)へ送る一方、米・絹織物・書籍など都市消費財を交易しました。
荘内の年貢米を船で西国海路へ送るほか、近隣荘園や領家への輸送拠点ともなり、阿万氏は交易手数料や通行料で財政基盤を強化しました。
後に村上水軍や九鬼水軍との調停・抗争が激化し、一時的に阿万氏の支配権が揺らいだものの、巧みな同盟関係で存続を図りました。
5. 拠点の考古・史料的痕跡
阿万浦周辺の干潟や入江には、中世の船隠し壕跡や礎石倉庫の遺構が散見される。地元古文書にも「阿万水軍頭」「阿万船請所」の記録が残っています。
近年は南あわじ市史料館で阿万氏文書が公開され、荘園寄進状や海船装備図などが研究資料として注目を集めていています。
上記により、阿万氏は海人族、「あま:天」一族と想定しても、大きな祖語はないと思われます。
関連項目:第392話:村上水軍と越智氏
:第775話:邪馬台国の水軍(2):津守氏
:第773話:阿万(あま)氏と西都原伊古墳群
:第772話:安満遺跡は高天原?
※これまでの記事はこちらです。
※このブログは、御牧国(ミマキ国)が邪馬台国であるという前提の上で書いています。
・ミマキ国は、守口、寝屋川、茨木、吹田、高槻、枚方、交野です。
※このブログでは、魏志倭人伝:古事記・日本書紀の登場人物は三人だけとしています。
~古事記、日本書紀の作者(編纂者ではない)たちも魏志倭人伝しか資料がなかったのです。
記紀の登場人物をスサノオ(津田の王)=ウツシコオ(内色許男命)=難升米、卑弥呼=天照大神、台与(豊)に当てはめる作業をしているのです。
※台与とウツシコオのコンビとは、以下です。前者が台与です。
神武天皇と八咫烏、フツヌシとタケミカズチ、神功皇后 武内宿祢、応神天皇と武内宿祢、
アメノウズメと猿田彦、ニギハヤヒ(饒速日)とナガスネヒコ(長髄彦)
聖徳太子と蘇我馬子・秦河勝、五十猛(イタケル)とスサノオ(素戔嗚)
・今までのところ矛盾なくここまて書き続けています。矛盾している箇所があれば、その矛盾点をヒントとして次の記事としています。
<目次>

村上水軍が使用した船の模型。左から安宅船、関船、小早船(写真:村上海賊ミュージアム)
<これまでウツシコオ(内色許男命)=スサノオ(津田の王)であることが判明した人物>
第374話:牛鹿臣はウツシコオ! 第371話:彦狭島命~吉備児島
第372話:建日方別:彦狭嶋命 第369話:神武西征~健磐龍命
第365話:君が代(2):君はウツシコオ 第363話:彦はすべて、ウツシコオ
第324話:武内宿禰はウツシコオ!! 第325話:天之日矛はウツシコオ
第326話:大日彦(オホヒヒ彦)~守口 第327話:于道朱君の衝撃~新羅
第328話:沙至比跪(サチヒコ) 第329話:アメノヒボコはウツシコオ
第330話:投馬国とウツシコオ~丹波(但馬) 第331話:朱智神社~迦邇米雷王
第333話: 牛頭天王(スサノオ)はアメノヒボコ?
第380話:猿田彦は異国人 第401話:犬養氏:スサノオは天手力男神=野見宿禰
第335話: 天道根命は道祖神=ウツシコオ 第334話: 大彦は、五十猛!
第336話:大屋彦~根の国は和歌山 第337話:阿多賀田須命~宗像氏
第338話:月読命(ツクヨミ) 第349話:天児屋命はウツシコオ!!
第357話:武甕槌神(タケミカヅチ)考 第317話:ひょっとこ:火男~天之御影命
第318話:空海のルーツは内色許男命! 第319話:和知津美命はワタツミ!!
第320話:欠史八代はヤマト=三島 第230話:三嶋溝抗命たち(複数)
第231話:神八井耳命は三毛入野 第232話:内色許男命は武埴安彦命!
第274話:八咫烏もウツシコオ 第275話:事代主もウツシコオ?
第279話:開化天皇 第280話:建角身命もウツシコオ
第263話:中臣氏~中臣烏賊津 第256話:ウガヤフキアエズのミコト
第244話:大津神社と建南方富命 第245話:豊御気主命は三毛入野!
第246話:高御産巣日神(高木神) 第247話:今迦毛大御神と天若日子
第249話:物言えぬ皇子~阿遅須枳高日子 第251話:猿田彦は塩土老翁神
第252話:迦毛大御神は崇神天皇! 第253話:キサガイヒメはウツシコオの母!
第354話:伊勢津彦はタケミナカタ =ウツシコオ 第254話:興玉命も内色許男命
第361話:宇都志国玉神と宇都志日金拆命 第394話:天御鳥命(武夷鳥命)は火の鳥
第395話:天日鷲命は、、、 第397話:獲加多支鹵大王(ワカタケル) =雄略天皇
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