第435話 #大宜都比売 #台与 #伏見大社 #邪馬台国 #秦氏
四国のことを伊予之二名島(いよのふたなのしま)といいます。名前の由来は、愛比売(えひめ)=大宜都比売(おおげつひめ)と飯依比古(いいよりひこ)=建依別(たけよりわけ)という二組の男女の神々に由来します。
ということは愛比売(えひめ)=大宜都比売(おおげつひめ)は卑弥呼ではなく、台与でしょう。台与は13歳で即位したので可愛い姫だったのです。
古事記では、伊邪那岐命と伊邪那美命の国産みで、伊予之二名島(四国)の中の阿波国の別名として「大宜都比売(オオゲツ・ヒメ)」の名前が表れます。須佐之男命の追放の場面では、食物を求められて、鼻・口・尻から様々の食物を出して様々に調理して奉ったところ、その様子を見て、汚いことをしていると思った須佐之男命に殺されます。殺された身からは、「頭に蚕、両目に稲種、両耳に粟、鼻に小豆、陰部に麦、尻に大豆が生じた。そこで、神産巣日御祖命がこれらの種を取らせた」とあります。
大宜都比売の、「大」は美称、ゲは食物を意味するケ(例:ミケ=御食)で、食物を掌る女神と考えられます。食物を掌る女神といえば豊受姫(豊受大神)です。豊受姫の受「ウケ」は食物のことで、食物・穀物を司る女神です。他にも食物神として、保食神(うけもち)、大気都比売神(おほげつひめ)、稲荷神(宇迦之御魂神)(うかのみたま)がいます。これらの神は同一の神でしょう。
*崇神天皇は台与です。後述:https://www.hidemaru3375.com/post/豊受姫(豊受大神)は崇神天皇)
国生みで生まれた伊予之二名島の四面の一つである粟国(阿波国)を「大宜都比売」と呼ばれるのは、「粟」に基づく食物神としての命名と考えられています。
第405話で私は倭迹々日百襲姫(やまととももそ姫)を台与(トヨ)としました。
香川県の東かがわ市にある水主神社(みぬし)の社伝では、「倭迹迹日百襲姫命(ヤマトトモモソ姫)は8歳のとき今の水主の里宮内にお着きになり成人になるまでこの地に住まわれた。土地の人に弥生米をあたえて、米作り又水路を開き、雨祈で、雨を降らせ、文化の興隆をなされた御人といわれる。」とあります。
香川県で農地の開墾、開拓を行い四国の人々に食料を安定して供給することに成功した倭迹迹日百襲姫命(ヤマトトモモソ姫)=台与が阿波国の別名として愛比売(えひめ)=大宜都比売(おおげつひめ)と呼ばれるようになったのです。倭迹迹日百襲姫命は7歳のとき倭国大乱を逃れるため、大和国黒田の盧戸を出立し、居を讃岐国水主に定めたのち成人まで住み給いて農業・水路・文化の興隆を成したとされています。
また丹波の地名の由来として、「諸国名義考」には「田庭なるべし」とあります。これは、かつて豊受大神宮(外宮)が丹波国真奈井にあり、皇大神宮(内宮)の御食事の稲を作っていた広く平らな場所の意味だといいます。昔は赤米が主流だったので、 「赤い米がたわわに実って風にそよぐさまが赤い(丹)波のようみ見える」というように解釈されています。
倭迹迹日百襲姫命は7・8歳で台与は13歳で記紀に登場します。なぜこんな幼い女の子が高度な農業技術を持っていたかというと、第425号:秦氏と大山咋神 で述べたように、
台与の背後には秦氏が付いていたからです。秦氏は潅漑用水・港湾の修築まで、農耕・土木・養蚕・機織・鉱山・治水・製銅・精錬・冶金・工芸・酒造・製塩・船運等の技術を持っていました。
京都の伏見神社は、元々は秦氏の神を祭る神社でした。で渡来人であった秦氏の稲荷信仰をもとに、秦氏の勢力拡大に伴って伏見稲荷の信仰圏も拡大されていった」と日本民俗大辞典に書かれています。伏見大社の稲荷神(宇迦之御魂神:うかのみたま)も倭迹迹日百襲姫命(ヤマトトモモソ姫)=台与です。
<関連項目>
※このブログは、御牧国(ミマキ国)が邪馬台国であるという前提の上で書いています。
・ミマキ国は、茨木、高槻、枚方、交野です。
・今までのところ矛盾なくここまて書き続けています。矛盾している箇所があれば、その矛盾点をヒントとして次の記事としています。
※これまでの記事はこちらです。
<目次>
日本の神の一覧 - Wikipedia
<これまでウツシコオ(内色許男命)=スサノオ(津田の王)であることが判明した人物>
第374話:牛鹿臣はウツシコオ! 第371話:彦狭島命~吉備児島
第372話:建日方別:彦狭嶋命 第369話:神武西征~健磐龍命
第365話:君が代(2):君はウツシコオ 第363話:彦はすべて、ウツシコオ
第324話:武内宿禰はウツシコオ!! 第325話:天之日矛はウツシコオ
第326話:大日彦(オホヒヒ彦)~守口 第327話:于道朱君の衝撃~新羅
第328話:沙至比跪(サチヒコ) 第329話:アメノヒボコはウツシコオ
第330話:投馬国とウツシコオ~丹波(但馬) 第331話:朱智神社~迦邇米雷王
第333話: 牛頭天王(スサノオ)はアメノヒボコ?
第380話:猿田彦は異国人 第401話:犬養氏:スサノオは天手力男神=野見宿禰
第335話: 天道根命は道祖神=ウツシコオ 第334話: 大彦は、五十猛!
第336話:大屋彦~根の国は和歌山 第337話:阿多賀田須命~宗像氏
第338話:月読命(ツクヨミ) 第349話:天児屋命はウツシコオ!!
第357話:武甕槌神(タケミカヅチ)考 第317話:ひょっとこ:火男~天之御影命
第318話:空海のルーツは内色許男命! 第319話:和知津美命はワタツミ!!
第320話:欠史八代はヤマト=三島 第230話:三嶋溝抗命たち(複数)
第231話:神八井耳命は三毛入野 第232話:内色許男命は武埴安彦命!
第274話:八咫烏もウツシコオ 第275話:事代主もウツシコオ?
第279話:開化天皇 第280話:建角身命もウツシコオ
第263話:中臣氏~中臣烏賊津 第256話:ウガヤフキアエズのミコト
第244話:大津神社と建南方富命 第245話:豊御気主命は三毛入野!
第246話:高御産巣日神(高木神) 第247話:今迦毛大御神と天若日子
第249話:物言えぬ皇子~阿遅須枳高日子 第251話:猿田彦は塩土老翁神
第252話:迦毛大御神は崇神天皇! 第253話:キサガイヒメはウツシコオの母!
第354話:伊勢津彦はタケミナカタ =ウツシコオ 第254話:興玉命も内色許男命
第361話:宇都志国玉神と宇都志日金拆命 第394話:天御鳥命(武夷鳥命)は火の鳥
第395話:天日鷲命は、、、 第397話:獲加多支鹵大王(ワカタケル) =雄略天皇