大洗磯前神社と潮湯治
第1215話
大洗磯前神社(おおあらいいそさきじんじゃ)は、茨城県東茨城郡大洗町にあり、大己貴命と少彦名命を祀っています。
前回:日向についての考察:日向は河内?では、日本書紀に「筑紫の日向」という語が出現する箇所は、神代巻(巻第一)に限定され、全部で “2か所” です。
その1か所目は、伊奘諾尊が黄泉から帰還し、禊を行う場面でした。
ここが「筑紫の日向」の最も有名な出現箇所で、「天照大神・月読尊・素戔嗚尊が誕生する場面」として神話構造の中心に位置しています。~ 筑紫の日向の小戸の橘の檍原 :イザナギ禊、三貴子誕生 と書きました。
伊奘諾尊が黄泉から帰還し禊を行なった場所について、古事記では「竺紫日向之橘小門之阿波岐原」、日本書紀では「筑紫日向小戸橘之檍原」と書いていますが、この「阿波岐原・檍原(あわきがはら)」のことをこの大洗磯前神社では、茨城県東茨城郡大洗町であると伝えられています。この地名は、全国の神社であげられる「祝詞」の冒頭でも「かけまくも畏き伊邪那岐の大神、筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原に禊ぎ祓へたまひし時に」と読み上げられており、そのため大洗磯前神社は「御祓い発祥の地」とされています。
前回書いたように、日本書紀に「筑紫の日向」という語が出現する箇所は、神代巻(巻第一)に限定され、全部で “2か所” です。
その1か所目は、伊奘諾尊が黄泉から帰還し、禊を行う場面でした。それが、「筑紫の日向」です。それをこの大洗磯前神社では、「筑紫日向小戸橘之檍原」を茨城県東茨城郡大洗町だといっているのです。
この茨城県東茨城郡大洗町は、海水浴で有名です。昔は、海水浴のことを潮湯治うしおとうじ)と言いました。潮湯治は、古代から中世にかけて、海水に体を浸すことで皮膚病や神経痛の治療を行う民間療法として親しまれていました。江戸時代には、海水浴は健康増進法として再評価され、レジャーとしての海水浴が全国に広がっていきました。
潮湯治とは、「皮膚病などの治療で海に入る」ことを指します。海水で病気の改善を促していたのです。潮湯治の概念自体は、江戸時代に西洋医学を学んだ蘭学者によって伝えられたとされています。大洗での潮湯治は、桶に海水を溜め、それを熱した石などで温めて浸かっていました。
潮湯治の起源は、伊弉諾尊が黄泉の国から帰って身を清めるために禊を行ったとされる宮崎県の御池に遡ります。潮湯治は、海の水を汲んできて沸かして浴びるものや、地域の習わしとして生まれた民間療法としての潮湯治の2つの流れがありました。
大洗磯前神社の創建について記されている「日本文徳天皇実録」には祭神(少彦名命)が降臨された時代は、天然痘が流行り、飢饉が起こるなど大変な時代だったことが記されています。特に御祭神御降臨の3年前には流行り病が猛威を振い多くの死者が出たとあります。
薬も医者もいない時代に常世の国(不老不死の国)とも言われた常陸国に医薬の神が「今、民を救わんがために、また帰り来たれり」と仰り降臨されたのは、もう2度と同じような災難が繰り返されないよう、人々の願いを受けて二神が降臨されたと考えられています
この流行り病とは、第2話:空白の150年~ミマキ国で書いた崇神天皇の時代に発生したパンデミックのことでしょう。この時の疫病の大流行は、渡来人の流入によるだと思われます。
大洗磯前神社の祭神である少彦名命は、大阪の道修町(どしょうまち)で神農大神(しんのうさん)として薬の神様になっています。これは少彦名(=台与)が秦氏の知識を持っていた証でしょう。~hidemaru3375.com/post/台与と秦氏 第463話: 少彦名大神(スクナヒコ)は台与!
少名毘古那神は、神格 国造りの神、農耕神、薬神、禁厭の神、温泉の神です。
海水浴の源は潮湯治(しおとうじ)とされますが、実は禊(みそぎ)にまで遡ります。伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が黄泉(よみ)の国から帰って身を清めるために禊を行なったと伝わる宮崎県の御(みそぎ)池は、位置的にはかつて海だった可能性が高く、つまり伊弉諾尊は海水を浴びた、海に身を浸したとも考えられます。
つまり、茨城県東茨城郡大洗町と宮崎県の御(みそぎ)池は、海で禊ぎをしたということで繋がっているのです。
大洗町の付近には那賀川が流れています。那賀川の「那賀」については、那珂川、那賀国の「なか」とは、長髄彦(ナガスネヒコ)の「なが」のことです。
第768話:長髄彦と粉河寺~那賀郡では、次のように書きました。
粉河寺がある地は那賀郡ということを言いたかったからです。この那賀郡の「那賀」は「中」で長髄彦(ナガスネヒコ)=中津彦(ナカツ彦)ではないかとされるのは、「謎の四世紀」の著者である上垣内憲一先生です。~P162
第1054話:水戸:茨城県の邪馬台国(4)では、那賀国造について、古事記では、神武天皇の第一皇子を祖先とする九州の意富臣(おおのおみ)・火君(ひのきみ)・大分君・阿蘇君やと同族であると記されています。
水戸市史でも「仲国造の初祖:建借間命は、火の国造家から別れた意富臣の一族であり、火の国を中心に根拠をもち、東国に進出したという説が有力である」と記しています。「火の国」とは古代の北九州地方の名称で、のち肥前・肥後に分けられました。
と書きました。
このことにより、長髄彦=スサノオ(津田の王)=ウツシコオ(内色許男命)=難升米は、九州にも茨城県にもいたことが分かります。台与とウツシコオの親子は那賀川でも治水工事を行ったのでしょう。このブログでは、台与とウツシコオの親子は日本各地を工事を行ってきたと書き続けています。
禊はのちに簡略化されて手水(ちょうず)となり、水を浴びる行為も心身を浄化するという本来の意味から、体を洗い清める澡浴(そうよく)へと変わっていきます。そしてこの「浴(あ)み」が潮湯治へとつながるのです。
私たちで、神社で手を洗うのもこの「禊」=「潮湯治」のなごりです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<蛇足の追記>
日本書紀に「筑紫の日向」という語が出現する箇所は、神代巻(巻第一)に限定され、全部で “2か所” です。その1か所目は、伊奘諾尊が黄泉から帰還し、禊を行う場面でした。
古事記に「竺紫のヒムカの橘の小門の阿波岐原」と書かれた場所で、イザナキが黄泉の国から戻り、穢れを祓うために、禊ぎをした場所です。全国の神主さんが修祓の儀で唱える「祓え詞」に表現された場所です。
日本書紀に「筑紫の日向」という語が出現する箇所は、神代巻(巻第一)に限定され、全部で “2か所” です。1か所目は先ほど書いたように、 筑紫の日向の小戸の橘の檍原 :イザナギ禊の場所でした。
そして、2か所目は、 巻第一(神代上)・第五段・本文(第一)天孫降臨の場面で、筑紫の日向の高千穂のくしふる之峯とされています。この地は、ニニギが天下りした所とされています。
前回:では、ニニギの天孫降臨(ニニギ)とイザナギ禊が同じ地名圏で語られているというのは、どうしてでしょう。これ以外に『日本書紀』本文中に「筑紫の日向」という語は一切出現しません。と書きました。これは、ニニギが台与で、伊弉諾がウツシコオだからです。
~第436話:瓊瓊杵尊:ニニギは台与 第871話:カムロキ・カムロミ:イザナミは台与
これまでの記事はこちらです。
※このブログは、御牧国(ミマキ国)が邪馬台国であるという前提の上で書いています。
・ミマキ国は、守口、寝屋川、茨木、吹田、高槻、枚方、交野です。
※このブログでは、魏志倭人伝:古事記・日本書紀の登場人物は三人だけとしています。
~古事記、日本書紀の作者(編纂者ではない)たちも魏志倭人伝しか資料がなかったのです。
記紀の登場人物をスサノオ(津田の王)=ウツシコオ(内色許男命)=難升米、卑弥呼=天照大神、台与(豊)に当てはめる作業をしているのです。
※台与とウツシコオのコンビとは、以下です。前者が台与です。
神武天皇と八咫烏、フツヌシとタケミカズチ、神功皇后 武内宿祢、応神天皇と武内宿祢、
アメノウズメと猿田彦、ニギハヤヒ(饒速日)とナガスネヒコ(長髄彦)
聖徳太子と蘇我馬子・秦河勝、五十猛(イタケル)とスサノオ(素戔嗚)
※台与(豊)は魏志倭人伝に書かれいる13歳で邪馬台国の大王(天皇)に即位した人物のことです。
※ウツシコオは魏志倭人伝に書かれている難升米のことです。
・今までのところ矛盾なくここまて書き続けています。矛盾している箇所があれば、その矛盾点をヒントとして次の記事としています。
<目次>




<これまでウツシコオ(内色許男命)=スサノオ(津田の王)であることが判明した人物>
第374話:牛鹿臣はウツシコオ! 第371話:彦狭島命~吉備児島
第372話:建日方別:彦狭嶋命 第369話:神武西征~健磐龍命
第365話:君が代(2):君はウツシコオ 第363話:彦はすべて、ウツシコオ
第324話:武内宿禰はウツシコオ!! 第325話:天之日矛はウツシコオ
第326話:大日彦(オホヒヒ彦)~守口 第327話:于道朱君の衝撃~新羅
第328話:沙至比跪(サチヒコ) 第329話:アメノヒボコはウツシコオ
第330話:投馬国とウツシコオ~丹波(但馬) 第331話:朱智神社~迦邇米雷王
第333話: 牛頭天王(スサノオ)はアメノヒボコ?
第380話:猿田彦は異国人 第401話:犬養氏:スサノオは天手力男神=野見宿禰
第335話: 天道根命は道祖神=ウツシコオ 第334話: 大彦は、五十猛!
第336話:大屋彦~根の国は和歌山 第337話:阿多賀田須命~宗像氏
第338話:月読命(ツクヨミ) 第349話:天児屋命はウツシコオ!!
第357話:武甕槌神(タケミカヅチ)考 第317話:ひょっとこ:火男~天之御影命
第318話:空海のルーツは内色許男命! 第319話:和知津美命はワタツミ!!
第320話:欠史八代はヤマト=三島 第230話:三嶋溝抗命たち(複数)
第231話:神八井耳命は三毛入野 第232話:内色許男命は武埴安彦命!
第274話:八咫烏もウツシコオ 第275話:事代主もウツシコオ?
第279話:開化天皇 第280話:建角身命もウツシコオ
第263話:中臣氏~中臣烏賊津 第256話:ウガヤフキアエズのミコト
第244話:大津神社と建南方富命 第245話:豊御気主命は三毛入野!
第246話:高御産巣日神(高木神) 第247話:今迦毛大御神と天若日子
第249話:物言えぬ皇子~阿遅須枳高日子 第251話:猿田彦は塩土老翁神
第252話:迦毛大御神は崇神天皇! 第253話:キサガイヒメはウツシコオの母!
第354話:伊勢津彦はタケミナカタ =ウツシコオ 第254話:興玉命も内色許男命
第361話:宇都志国玉神と宇都志日金拆命 第394話:天御鳥命(武夷鳥命)は火の鳥
第395話:天日鷲命は、、、
◎hidemaru3375.com/post/ヒコユキからウツシコオへ