卑弥呼と銅鐸(1)
- tootake
- 9月10日
- 読了時間: 4分
更新日:9月11日
第801話
第785話:伊勢神宮の秘密(2):内宮と下宮がある理由では、「伊勢神宮が天照大神(=卑弥呼)を祀るものでないとすると、天照大神の影が薄くなってなってきています。これは藤原不比等を含む記紀の作者たちが、卑弥呼についての資料を持っていないからです。魏志倭人伝に書いてあること以外のことは、記紀の作者たちも私たちと同様でなにも知らないのです。」と書きました。
古事記、日本書紀から卑弥呼のことを探求するのは限界があるようなので、視点を変えてみることにしました。そこで銅鐸に目を付けました。
銅鐸が作られなくなったのは、概ね3世紀中頃(西暦250年頃)と考えられています。これは弥生時代の終盤にあたり、銅鐸祭祀が急速に衰退し、代わって古墳時代が始まる時期と重なります。つまり、卑弥呼が亡くなって、台与が邪馬台国の大王に即位した年代と見事に一致するのです。
銅鐸は、紀元前2世紀から2世紀までの約400年間作られ続け、に2世紀には大型化が進みます。2世紀末から3世紀初頭にかけて、銅鐸の製造が急激に減少。特に近畿式銅鐸が主流となった後、突如として製造が止まってしまいます。
台与の墓と思われる箸墓古墳の出現など、古墳時代の幕開けとともに銅鐸祭祀は完全に姿を消します。
銅鐸文化圏がヤマト政権に吸収される過程で、銅鐸は「旧い神具」として排除された可能性が高いです。銅鐸の終焉は、単なる技術的な断絶ではなく、祭祀体系や政治構造の大きな転換を象徴しているようです。
そして銅鐸の終焉と共に現れるのが物部氏です。
物部氏は、日本書紀や古事記において、兵器・鉄器の製造と管理を担う氏族として登場します。
特に「石上神宮」(奈良県天理市)は、物部氏の氏神を祀る神社であり、神宝(鉄製武器)を保管する聖域として機能していました。
肩野物部氏と製鉄遺跡
肩野物部の本拠地である大阪府交野市 JR 学研都市線(片町線)河内磐船駅周辺に森製鉄遺跡があります。森遺跡の成立は弥生時代終末のことで、当初はまだ鍛冶操業を行つておらず、灌漑用水路を遺跡の各所に廻らせた、農耕を主とした集落であり、天野川を遡ってきた小船が通行できる大溝も確認されています。当時の北河内における鍛冶遺跡は、淀川に程近い枚方市の星ヶ丘遺跡や鷹塚山遺跡などで、交野郡域*でのみ確認されています。*枚方・交野は私が邪馬台国とする地です。~第491話:森製鉄遺跡~交野市河内磐船
岡山県津山市〜美作地域には、古墳〜奈良時代にかけての製鉄遺跡が多数分布しており、肩野物部氏の活動拠点と重なります。第770話:斬蛇の剣と草薙剣~備前の尾張では、「伊福部連(尾張氏の一族)が岡山にいて製鉄に関わっていたされることから、「天羽々斬」=「斬蛇剣」は岡山で造られたと思われます。」と書いています。
物部麁鹿火(もののべのあらかひ)は5世紀後半の軍事指導者で、鉄製の剣・槍・甲冑を用いた軍隊を率いたとされます。
卑弥呼が亡くなったあと、13歳の台与が即位したのち急速に鉄器(武器・農耕器具)が普及し始めているのも見逃せません。次回に続く→卑弥呼と銅鐸(2):農耕と狩猟
これまでの記事はこちらです。
※このブログは、御牧国(ミマキ国)が邪馬台国であるという前提の上で書いています。
・ミマキ国は、守口、寝屋川、茨木、吹田、高槻、枚方、交野です。
※このブログでは、魏志倭人伝:古事記・日本書紀の登場人物は三人だけとしています。
~古事記、日本書紀の作者(編纂者ではない)たちも魏志倭人伝しか資料がなかったのです。
記紀の登場人物をスサノオ(津田の王)=ウツシコオ(内色許男命)=難升米、卑弥呼=天照大神、台与(豊)に当てはめる作業をしているのです。
※台与とウツシコオのコンビとは、以下です。前者が台与です。
神武天皇と八咫烏、フツヌシとタケミカズチ、神功皇后 武内宿祢、応神天皇と武内宿祢、
アメノウズメと猿田彦、ニギハヤヒ(饒速日)とナガスネヒコ(長髄彦)
聖徳太子と蘇我馬子・秦河勝、五十猛(イタケル)とスサノオ(素戔嗚)
※台与(豊)は魏志倭人伝に書かれいる13歳で邪馬台国の大王(天皇)に即位した人物のことです。
※ウツシコオは魏志倭人伝に書かれている難升米のことです。
・今までのところ矛盾なくここまて書き続けています。矛盾している箇所があれば、その矛盾点をヒントとして次の記事としています。
<目次>




<これまでウツシコオ(内色許男命)=スサノオ(津田の王)であることが判明した人物>
第374話:牛鹿臣はウツシコオ! 第371話:彦狭島命~吉備児島
第372話:建日方別:彦狭嶋命 第369話:神武西征~健磐龍命
第365話:君が代(2):君はウツシコオ 第363話:彦はすべて、ウツシコオ
第324話:武内宿禰はウツシコオ!! 第325話:天之日矛はウツシコオ
第326話:大日彦(オホヒヒ彦)~守口 第327話:于道朱君の衝撃~新羅
第328話:沙至比跪(サチヒコ) 第329話:アメノヒボコはウツシコオ
第330話:投馬国とウツシコオ~丹波(但馬) 第331話:朱智神社~迦邇米雷王
第333話: 牛頭天王(スサノオ)はアメノヒボコ?
第380話:猿田彦は異国人 第401話:犬養氏:スサノオは天手力男神=野見宿禰
第335話: 天道根命は道祖神=ウツシコオ 第334話: 大彦は、五十猛!
第336話:大屋彦~根の国は和歌山 第337話:阿多賀田須命~宗像氏
第338話:月読命(ツクヨミ) 第349話:天児屋命はウツシコオ!!
第357話:武甕槌神(タケミカヅチ)考 第317話:ひょっとこ:火男~天之御影命
第318話:空海のルーツは内色許男命! 第319話:和知津美命はワタツミ!!
第320話:欠史八代はヤマト=三島 第230話:三嶋溝抗命たち(複数)
第231話:神八井耳命は三毛入野 第232話:内色許男命は武埴安彦命!
第274話:八咫烏もウツシコオ 第275話:事代主もウツシコオ?
第279話:開化天皇 第280話:建角身命もウツシコオ
第263話:中臣氏~中臣烏賊津 第256話:ウガヤフキアエズのミコト
第244話:大津神社と建南方富命 第245話:豊御気主命は三毛入野!
第246話:高御産巣日神(高木神) 第247話:今迦毛大御神と天若日子
第249話:物言えぬ皇子~阿遅須枳高日子 第251話:猿田彦は塩土老翁神
第252話:迦毛大御神は崇神天皇! 第253話:キサガイヒメはウツシコオの母!
第354話:伊勢津彦はタケミナカタ =ウツシコオ 第254話:興玉命も内色許男命
第361話:宇都志国玉神と宇都志日金拆命 第394話:天御鳥命(武夷鳥命)は火の鳥
第395話:天日鷲命は、、、 第397話:獲加多支鹵大王(ワカタケル) =雄略天皇
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