第589話 #彦狭知 #経津主神 #邪馬台国
彦狭知命(ひこさち)は、日本書紀;神代下第九段で父の手置帆負神と共に登場し、作盾者(たてぬい)としたことが記されています。古語拾遺の神代段でも父と共に登場し、天御量を使って大小の峡谷の木を伐採して瑞殿を造営し、御笠・矛・盾を制作したとされています。同書の神武天皇段にも再び父と共に登場し、太玉命の孫・天富命に率いられて山から木を伐採して、神武天皇の正殿を造営し、その後裔は紀伊国名草郡の御木・麁香二郷にいるとされています。名について、ヒコを「すぐれた男子」、サチを「鉄の矢」の意味と解する説があります。
楯縫神社は、茨城県稲敷郡美浦村郷中にあります。主祭神は普都主命(ふつぬし)です。
楯縫神社には別伝があり別伝(新編常陸国誌)によると「祭神は彦狭知命と云伝ふ、この神は神代の時に、紀伊国の忌部祖、手置帆負神と同く、天照大神の御為に、瑞の御殿を造り、又諸の祭器を作り仕奉りしが、この神は専ら盾を縫ひ作られし故に、楯縫神とも申せしなりとし、「楯縫神」たる彦狭知命を祀る社としています。
一般には、楯縫神社を称する社の祭神は彦狹知命です。楯縫神社または楯部の式内社は、当社以外に少なくとも四社あり、いずれも「楯縫神(彦狹知命)」の社です。
楯縫神社(但馬国養父郡、小社)。兵庫県養父市。主祭神・彦狹知命
楯縫神社(但馬国気多郡、小社)。兵庫県豊岡市。主祭神・彦狹知命
楯縫神社(丹波国氷上郡、小社)。兵庫県丹波市。主祭神・彦狹知命
特選神名帳は「今按、楯縫の社号によるときは、彦狭知命を祭れるが如くなれども、出雲国風土記意宇郡楯縫郷の条に、布都怒志(ふつぬし)命之天石楯縫直給レ之、故云二楯縫一とあるに、社説を合せて、經津主命なることしるへし」としています。
つまり、彦狭知=作盾者(たてぬい)=經津主命(ふつぬし)であることが分かります。
經津主命は、日本書紀によると、葦原中国へ派遣された天稚彦(アメノワカヒコ)の死後、高皇産霊尊(タカミムスビ)が諸神を集めて次に遣わすべき神を決めようとした時、選ばれたのは神です。経津主神と武甕槌神(タケミカヅ)を副えて葦原中国を平定させることにしたとされています。
経津主神と武甕槌神のコンビはウツシコオ(内色許男命)=スサノオ(津田の王)と台与(豊)のコンビであることはこのブログで何度も書いています。~第441話: タケミカヅチは台与!!
第441話: タケミカヅチは台与!!では、下記のように書きました。
鹿島神宮のご祭神は武甕槌大神、香取神宮のご祭神は経津主大神ですが、 いずれも日本神話で国譲りの伝説 で、 天照大神に遣われて大国主命に国を譲ってもらえるよう交渉に行った神様 で 、いずれも武神 としてあがめられてきました。
鹿島神宮と香取神宮は利根川を挟んで相対する場所に鎮座 しています。この地は 古代の頃、交通の要衝であり、蝦夷との争いの最前線であった場所に、朝廷が日本屈指の武神である二神を東方の守りとなるように、鹿島神宮、香取神宮に鎮座させた と伝えられています。
・香取神宮のカトリは「楫取 = かじ(舵)取り」という古名から、古くは航行を掌る神として祀られたという見方もあります。ウツシコオの幼名はヒコサチ(ヒコユキ)でもともとは熊野水軍です。船の操作にも長けていたほずです。参照:ヒコサチ:忌部氏(彦幸)~和歌山・名草
彦狭知命の父の手置帆負神とされていますが、名前に帆がついていることから船乗りであったことが想像できます。
<まとめ>
彦狭知命は
・太玉命の孫;天富命→玉=興玉命も内色許男命、安寧天皇(第3代)~大阪市西成区玉出
和歌山県和歌山市に玉津島があり、古くは「玉出島」とも称されていました。
富=とみ→長髄彦は登美能那賀須泥毘古(とみのながすねひこ)、登美毘古(とみひこ)
・後裔は紀伊国名草郡の御木・麁香二郷
・父は船乗り→彦狭知命も船乗り、香取神宮のカトリは「楫取 = かじ(舵)取り」
次回:彦狭知と珍彦(うずひこ)に続く
※これまでの記事はこちらです。
※このブログは、御牧国(ミマキ国)が邪馬台国であるという前提の上で書いています。
・ミマキ国は、守口、寝屋川、茨木、高槻、枚方、交野です。
※このブログでは、魏志倭人伝:古事記・日本書紀の登場人物は三人だけ!??としています。
記紀の登場人物をスサノオ(津田の王)=ウツシコオ(内色許男命)、卑弥呼、台与(豊)に当てはめる作業をしているのです。
・今までのところ矛盾なくここまて書き続けています。矛盾している箇所があれば、その矛盾点をヒントとして次の記事としています。
<目次>

鴨王~瀬戸内海
<これまでウツシコオ(内色許男命)=スサノオ(津田の王)であることが判明した人物>
第374話:牛鹿臣はウツシコオ! 第371話:彦狭島命~吉備児島
第372話:建日方別:彦狭嶋命 第369話:神武西征~健磐龍命
第365話:君が代(2):君はウツシコオ 第363話:彦はすべて、ウツシコオ
第324話:武内宿禰はウツシコオ!! 第325話:天之日矛はウツシコオ
第326話:大日彦(オホヒヒ彦)~守口 第327話:于道朱君の衝撃~新羅
第328話:沙至比跪(サチヒコ) 第329話:アメノヒボコはウツシコオ
第330話:投馬国とウツシコオ~丹波(但馬) 第331話:朱智神社~迦邇米雷王
第333話: 牛頭天王(スサノオ)はアメノヒボコ?
第380話:猿田彦は異国人 第401話:犬養氏:スサノオは天手力男神=野見宿禰
第335話: 天道根命は道祖神=ウツシコオ 第334話: 大彦は、五十猛!
第336話:大屋彦~根の国は和歌山 第337話:阿多賀田須命~宗像氏
第338話:月読命(ツクヨミ) 第349話:天児屋命はウツシコオ!!
第357話:武甕槌神(タケミカヅチ)考 第317話:ひょっとこ:火男~天之御影命
第318話:空海のルーツは内色許男命! 第319話:和知津美命はワタツミ!!
第320話:欠史八代はヤマト=三島 第230話:三嶋溝抗命たち(複数)
第231話:神八井耳命は三毛入野 第232話:内色許男命は武埴安彦命!
第274話:八咫烏もウツシコオ 第275話:事代主もウツシコオ?
第279話:開化天皇 第280話:建角身命もウツシコオ
第263話:中臣氏~中臣烏賊津 第256話:ウガヤフキアエズのミコト
第244話:大津神社と建南方富命 第245話:豊御気主命は三毛入野!
第246話:高御産巣日神(高木神) 第247話:今迦毛大御神と天若日子
第249話:物言えぬ皇子~阿遅須枳高日子 第251話:猿田彦は塩土老翁神
第252話:迦毛大御神は崇神天皇! 第253話:キサガイヒメはウツシコオの母!
第354話:伊勢津彦はタケミナカタ =ウツシコオ 第254話:興玉命も内色許男命
第361話:宇都志国玉神と宇都志日金拆命 第394話:天御鳥命(武夷鳥命)は火の鳥
第395話:天日鷲命は、、、 第397話:獲加多支鹵大王(ワカタケル) =雄略天皇
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