第428話 #阿蘇都媛 #台与 #温羅
第421話:鬼の正体 で書いた、温羅(うら)は吉備の外から飛来して吉備に至り、製鉄技術を吉備地域へもたらして鬼ノ城を拠点として一帯を支配したという伝承があります。
温羅は九州の阿蘇から来たと思われます。というのも兵庫県たつの市誉田町広山に阿宗神社(あそうじんじゃ)があるからです。阿曽村(あぞむら)は、岡山県吉備郡で現在の総社市です。古代から製鉄が盛んだったという阿曽地区の人々は祭りでは、温羅や阿曽姫、その従者らに扮したの行列が、鬼ノ城山頂で採火した魂火(おにび)を阿宗神社に運びます。
温羅(うら)は浦島太郎=健磐龍命=阿蘇都彦命(あそつひこのみこと)=ウツシコオです。前回少しふれた阿曽姫は阿蘇都媛で台与でしょう。
伝説では阿蘇都媛の父である草部吉見神(国龍神:日子八井命)は九州平定に尽くしたとなっています。阿蘇家を補佐する社家集団である宮川一族が祖神としてあがめているのも実はこの草部吉見神で、阿蘇神社の「田作り祭」など一貫した農耕祭事も本来は社家の祭りといわれています。国龍神:日子八井命はウツシコオ(内色許男命)=スサノオ(津田の王)です。参照:第231話:神八井耳命は三毛入野
阿蘇神社の禰宜、宮川正也氏によると「社家の宮川一族も本当の姓は山部で、宮川は神官としての姓です」ということです。肥後国の山部に関しては、日本続記に「益城郡人山稲主白亀を献ず」とみえ、益城郡に山部が置かれていたことが分かります。宮川氏よれば、神武天皇の第一皇子:日子八井命は大和国の山辺郷から九州へ派遣されたそうです。そして豊比売命が何故か「阿曾隈(あそくま)」であるといいます。何故かというと、豊比売命(トヨ=台与)は阿蘇都媛(阿曽姫)だからです。
阿蘇乙姫(地名)下山西遺跡北方の水田や原野には、推定50~100万トンの阿蘇黄土(褐鉄鉱:酸化第二鉄)が埋蔵しています。この阿蘇黄土を焼くと、たやすくベンガラができます。厳島神社の古文書のなかに、平清盛が社殿を建立した際、阿蘇家を通じてベンガラを手に入れたとあります。温羅(うら)一家=日子八井命=ウツシコオ(内色許男命)=スサノオ(津田の王)と阿蘇都媛(阿曽姫)=台与はここでベンガラを採取し更に吉備(岡山県)にも進出したのです。国山地を中心とする花崗岩地帯では砂鉄は花崗岩(かこうがん)の風化残留物で、中大量に採取できます。吉備では、製鉄遺跡は約30遺跡、製鉄炉は100基以上が発掘されており、他地域とは格段の差があります。
そして阿蘇神社の社家の宮川一族も本当の姓は山部ということですが、山辺氏は第423話で書いた飯豊王女は台与(トヨ)なのか? で登場した隠れていた二皇子を見出し救い出した伊予来目部小楯でした。
*伊予来目部小楯、山部連は日本書紀:顕宗記によると、弘計王(第23代顕宗天皇)と第24代仁賢天皇(億計王)は播磨国に逃れ名を変え身を隠していたいましたが、その二皇子を見出し救い出したのは伊予来目部小楯です。後に小楯はその功績によって顕宗天皇より山官の役職を貰い、姓を改め山部連となったと「新撰姓氏録」とあります。
飯豊王女は台与(トヨ)なのか? では「皇子二人、顕宗天皇(ヲケ)は弘計尊(をけのみこと)、仁賢天皇(オケ)は億計尊(おけのみこと)の兄弟をかくまっていたのが、飯豊王(飯豊王女=台与)だとしています。ということは伊予来目部・小楯は台与ということになり、山部連の祖は台与ということになります。そして伊予来目部小楯=山部は、歌人の山部赤人であると思われます。(後述→山部赤人は台与!)
山部は大和国山辺郡穂積郷のことです。ここを本拠地とした氏族は穂積氏です。穂積は大阪府茨木市三島(御島)の地名です。この地は中臣氏=ウツシコオ(内色許男命)=スサノオ(津田の王)の本拠地です。茨木市の穂積郷は大規模な疫病の感染で放棄され奈良県に移動したのです。参照:空白の150年2~郡遺跡・倍賀遺跡
注:台与は女性ですが、藤原不比等・記紀の作者は、日本の天皇家が「男系天皇」を継続してきたとしたいことから、「天皇家は万世一系」とするためにトヨ=豊受姫が13歳の少女ではまずいので男性として記紀には記載しています。
※このブログは、御牧国(ミマキ国)が邪馬台国であるという前提の上で書いています。
・ミマキ国は、茨木、高槻、枚方、交野です。
・今までのところ矛盾なくここまて書き続けています。矛盾している箇所があれば、その矛盾点をヒントとして次の記事としています。
※これまでの記事はこちらです。
<目次>
スサノオ卑弥呼、外通姫
歴代天皇は全員 歌が詠める
大鷦鷯天皇(おほさざきのすめらみこと) 仁德天皇(にんとくてんわう)
つぎねふや 山代川を 宮上り 我が上れば あをによし 奈良を過ぎ 小楯(オダテ) 倭を過ぎ 我が見が欲しく国は 葛城高宮 我家(ワギヘ)のあたり
歌の訳(「つぎねふや」は山代川の枕詞)難波の宮を過ぎて山代川を上り、私が登っていくと、(「あおによし」は奈良の枕詞)奈良を過ぎて小楯(オダテ)と倭を過ぎて、私が見たかった葛城の高宮の我家の辺りです。
<これまでウツシコオ(内色許男命)=スサノオ(津田の王)であることが判明した人物>
第374話:牛鹿臣はウツシコオ! 第371話:彦狭島命~吉備児島
第372話:建日方別:彦狭嶋命 第369話:神武西征~健磐龍命
第365話:君が代(2):君はウツシコオ 第363話:彦はすべて、ウツシコオ
第324話:武内宿禰はウツシコオ!! 第325話:天之日矛はウツシコオ
第326話:大日彦(オホヒヒ彦)~守口 第327話:于道朱君の衝撃~新羅
第328話:沙至比跪(サチヒコ) 第329話:アメノヒボコはウツシコオ
第330話:投馬国とウツシコオ~丹波(但馬) 第331話:朱智神社~迦邇米雷王
第333話: 牛頭天王(スサノオ)はアメノヒボコ?
第380話:猿田彦は異国人 第401話:犬養氏:スサノオは天手力男神=野見宿禰
第335話: 天道根命は道祖神=ウツシコオ 第334話: 大彦は、五十猛!
第336話:大屋彦~根の国は和歌山 第337話:阿多賀田須命~宗像氏
第338話:月読命(ツクヨミ) 第349話:天児屋命はウツシコオ!!
第357話:武甕槌神(タケミカヅチ)考 第317話:ひょっとこ:火男~天之御影命
第318話:空海のルーツは内色許男命! 第319話:和知津美命はワタツミ!!
第320話:欠史八代はヤマト=三島 第230話:三嶋溝抗命たち(複数)
第231話:神八井耳命は三毛入野 第232話:内色許男命は武埴安彦命!
第274話:八咫烏もウツシコオ 第275話:事代主もウツシコオ?
第279話:開化天皇 第280話:建角身命もウツシコオ
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第244話:大津神社と建南方富命 第245話:豊御気主命は三毛入野!
第246話:高御産巣日神(高木神) 第247話:今迦毛大御神と天若日子
第249話:物言えぬ皇子~阿遅須枳高日子 第251話:猿田彦は塩土老翁神
第252話:迦毛大御神は崇神天皇! 第253話:キサガイヒメはウツシコオの母!
第354話:伊勢津彦はタケミナカタ =ウツシコオ 第254話:興玉命も内色許男命
第361話:宇都志国玉神と宇都志日金拆命 第394話:天御鳥命(武夷鳥命)は火の鳥
第395話:天日鷲命は、、、 第397話:獲加多支鹵大王(ワカタケル) =雄略天皇