己高山と国友村~滋賀県長浜市
第1189話
琵琶湖の北にある滋賀県長浜市は、仏教文化財の宝庫です。ことに観音菩薩像が濃密に分布し、集落の数に匹敵するほど多くの観音像が今なお村人たちによって大切に守られています。 平安時代に遡る古像も多く、近年は、「観音の里」と称されて、四季を通じて全国各地から多くの方々が参拝に訪れます。豊かで恵まれた自然・風土の美しさ、人情厚い土地柄、そこに佇む仏像がもつ高い歴史的、芸術的価値などが、当地を訪れる人々の心をとらえて離さない魅力となっているのでしょう。
滋賀県は古くから観音信仰が非常に盛んな地域で、日本で最も歴史のある観音巡礼「西国三十三所」のうち、滋賀県には全国的にも有名な6つの札所(観音霊場)があります。
(12)正法寺→第858話:岩間寺と狗奴国:塔の峰
(13)石山寺 →第857話:石山寺:石(岩)と金
(14)園城寺(三井寺 観音堂)→第860話 :園城寺(三井寺)
(30)宝厳寺→第705話:竹生島神社・宝厳寺 ~琵琶湖
(31)長命寺→ 第709話:hidemaru3375.com/post/長命寺:武内宿祢と聖徳太子
(32)観音正寺:観音正寺と人魚伝説
長浜市などの湖北地域だけででも、130躯以上の観音様がおられます。
向源寺(渡岸寺観音堂)にある「十一面観音立像」は、全国の十一面観音像の中でも最高峰と称される国宝です。
観音の里の精神的な柱ともいえる己高山(こだかみやま)は、滋賀県長浜市(旧高月町域の東方)にそびえる霊山です。
己高山は、畿内から見て北東(鬼門=邪気が出入りする方角)にあたる場所に位置しており、古くから都や国家を護る霊山として、また自然の神が宿る畏怖の対象として特別視されていました。
古代より霊山として崇められてきた己高山は、交通の要衝にもあたることから、複数の信仰文化の影響を受け、習合文化圏として観音信仰を基調とする独自の仏教文化が構築されたことがうかがわれます。
仏教が伝来する以前からの土着の自然信仰が、のちに仏教と結びつき、「修験道(山岳の厳しい自然環境の中で修行して悟りを開く教え)」の聖地となっていきました。
奈良時代には、東大寺の建立にも尽力した行基*がこの山に入り、お堂を草創したと伝えられています。さらに、白山信仰*の開祖とされる泰澄(たいちょう)や、平安時代に日本天台宗を開いた最澄(さいちょう)もこの山で修行を行いました。
最盛期には、山中や山麓に「己高山七ヶ寺」をはじめとする数多くの寺院や堂塔が立ち並び、一大宗教都市のような空間が形成されました。
己高山を中心とした山岳信仰は、やがて北陸の白山信仰や比叡山の天台文化と深く融合していきます。 山での厳しい修行と結びついたことで、この地域では「山岳信仰としての十一面観音信仰」が非常に盛んになりました。
山中で修行する僧侶たちが彫り上げた仏像や、その影響を受けた地元の仏師・村人たちによる造像が次々と生まれ、それが麓の集落へと受け継がれていきました。
現在でも、己高山の山中や山麓には、かつての寺院の跡(紅葉の名所としても知られる鶏足寺の跡など)や、数多くの仏教遺跡が眠っています。また、山麓の「与志漏神社」に隣接する己高閣(ここうかく)・世代閣(よしろかく)という収蔵庫には、こうした山岳寺院の栄華を今に伝える数多くの貴重な仏像(国重要文化財の薬師如来立像や、珍しい魚藍観音など)が大切に安置されています。
この己高山への信仰の歴史こそが、高月が「ただの田舎」ではなく、日本を代表する「観音の里」へと昇華した最大の理由です。
前回:虎姫伝説~与志漏神社では、この長浜はスサノオ(津田の王)=ウツシコオ(内色許男命)=難升米・台与と非常に関連の深い地であることを述べました。
そして観音様が台与であることはこのブログでは、何度も述べてきました。
第628話:観音菩薩と台与(1)~大聖観音寺 第629話:観音菩薩と台与(2)~法輪寺
第630話:観音菩薩と台与(3)~寂光寺:野崎観音:江口の君
第631話:観音菩薩と台与(4)~明尾寺 第632話:観音菩薩と台与(5)~鶴林寺
第633話:観音菩薩と台与(6)~佐井寺 第634話:観音信仰と台与(7)~慈愍山観音寺(千葉)
第635話:観音信仰と台与(8)金剛院 :摂津市味舌
*行基~このブログは、邪馬台国が大阪府枚方市であることを証明するために書き続けています。卑弥呼の後を継いで、邪馬台国の大王(おおきみ)となった台与の後をたどっているうちに行基に出会いました。行基は台与を手本として日本各地で治水工事・稲作推進を行ったのです。~野崎観音(第630話)・嵐山(第629話) 大阪と邪馬台国:美木多(堺市南区)
*白山信仰と泰澄と台与の関係については、第965話:菊理媛神(ククリ姫)と白山信仰 第1086話:平泉寺白山神社と菊理媛で書きました。
行基、泰澄が長浜に来たのは、台与の伝説がこの地に深く残っていたからです。
<行基と台与が登場した記事>
第634話:観音信仰と台与(7)~慈愍山観音寺(千葉)
第637話:観音菩薩と台与(9)~高浜神社・常光円満寺:吹田
第679話:伊豆美神社~東京都狛江市
第727話:hidemaru3375.com/post/山崎橋と邪馬台国 第754話:釈尊寺(布引観音)
第794話:葛井寺と王辰爾 第850話:hidemaru3375.com/post/槇尾山-施福寺
第865話:播州清水寺:法道仙人 第888話:開口神社の天狗
第915話:蘇我氏の真実(4)木羅斤資と昆支王
第997話:大興善寺~基肆郡(肥前風土記)
第1027話:天白磐座遺跡:静岡の台与 第1116話:財賀寺と砥鹿神社~愛知県
ちなみに長浜は私が邪馬台国とする枚方とも深い関係があります。
滋賀県長浜市平方町の平方は湖岸泥汀の地で、もとは平潟といいました。
平方=平潟=枚方です。~第1061話:枚方・白肩・白方・平潟
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<蛇足の追記>
前回:虎姫伝説~与志漏神社でも書きましたが、与志漏神社の境内背後の山の斜面には製鉄炉跡もあり古代の精錬技術者の氏神や祭神である波多八代宿禰(武内宿禰の子で淡海臣の祖)の子孫である波多氏との関係も深いものと推定されています。
波多氏は秦氏です。~hidemaru3375.com/post/台与と秦氏
台与が製鉄に関わっていたことは、このブログでは、何度も書いています。
第490話: 日置氏と製鉄と台与(豊)~枚方市招堤
第185話: 金屋子神は五十鈴姫
そして長浜市には、国友村(現在の滋賀県長浜市)があります。
古くから刀鍛冶や鉄製品を作る職人の集落として栄えた背景には、地理的条件や原材料の調達しやすさなど、いくつかの大きな理由がありました。
・良質な鉄の調達ルートがあったこと。~日本海側のルート(越前敦賀港など)を通じて、日本有数の良質な鉄を産出した出雲国(現在の島根県)などの鉄を比較的スムーズに入手できる環境にありました。
・交通の要衝・水運の利便性~琵琶湖の東岸という立地にあり、政治・経済の中心地であった畿内へと水運を利用して製品や資材を効率よく運び出すことができました。
・周辺での製鉄・鍛冶の歴史~国友の周辺地域では、古くから製鉄や鍛冶技術が根付いており、鉄を扱うための火床(ほど)や燃料となる木炭の確保、技術の蓄積しやすい土壌がありました。
こうした優れた金属加工の基盤(高い技術力と分業体制)がすでに備わっていたため、1543年に種子島に鉄砲が伝来した翌年には、足利将軍家や朝廷、あるいは地元の有力武将の要請を受けて、日本における一大鉄砲生産地(堺と並ぶ二大産地)へと発展していくことになったのです。
これまでの記事はこちらです。
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※このブログは、御牧国(ミマキ国)が邪馬台国であるという前提の上で書いています。
・ミマキ国は、守口、寝屋川、茨木、吹田、高槻、枚方、交野です。
※台与とウツシコオのコンビとは、以下です。前者が台与です。
神武天皇と八咫烏、タケミカズチとフツヌシ、神功皇后と武内宿祢、応神天皇と武内宿祢、
アメノウズメと猿田彦、ニギハヤヒ(饒速日)とナガスネヒコ(長髄彦)
聖徳太子と蘇我馬子・秦河勝、五十猛(イタケル)とスサノオ(素戔嗚)
※台与(豊)は魏志倭人伝に書かれいる13歳で邪馬台国の大王(天皇)に即位した人物のことです。
※ウツシコオは魏志倭人伝に書かれている難升米のことです。
・今までのところ矛盾なくここまて書き続けています。矛盾している箇所があれば、その矛盾点をヒントとして次の記事としています。
<目次>




今回は、「己高山と国友村~滋賀県長浜市」です。
地域信仰と歴史の丁寧な紹介
前半では、滋賀県長浜市の霊山である己高山(こだかみやま)を中心とした山岳信仰、観音信仰の広がり、行基や最澄といった歴史的人物との関わりが分かりやすくまとめられています。また、長浜市国友村が鉄砲の一大生産地へと発展した背景(良質な鉄の調達ルートや水運の利便性など)についても具体的に解説されています。
独自の仮説(邪馬台国論)の展開
管理人の持論である「邪馬台国=大阪府枚方市(御牧国)」および「観音菩薩=台与」という前提に基づき、長浜の地名(平方=平潟=枚方)や伝説を独自の視点で結びつけています。これまでの多くの過去記事(第〇〇話)への内部リンクが豊富に張られており、執筆者の仮説体系の広がりが伺えます。
構成と情報量
歴史散歩や観光地(観音の里)としての魅力、地名や製鉄に関する歴史的考察、さらには自著のKindle書籍の案内まで、ブログ記事として非常に盛りだくさんの内容になっています。
<台与シリーズ>
hidemaru3375.com/post/天鈿売命(うずめ)は台与(豊)
https://www.hidemaru3375.com/post/かぐや姫は、台与(とよ)
https://www.hidemaru3375.com/post/磐井の乱と台与
https://www.hidemaru3375.com/post/豊受姫(豊受大神)は崇神天皇
https://www.hidemaru3375.com/post/火明命は饒速日なのか??
https://www.hidemaru3375.com/post/豊鍬入姫命-日光と男体山・女峰山
hidemaru3375.com/post/台与と秦氏 敏達天皇は台与(豊)
衣通姫(そとおりひめ)は台与(豊) 雄略天皇は台与(豊)!
孝昭天皇は台与:日原は目原 飯豊王女は台与(トヨ)なのか?
金銀錯嵌珠龍文鉄鏡(2)大原足尼命はトヨ 大宜都比売(おおげつひめ)は台与
倭迹迹日百襲姫命(ヤマトトモモソ姫)はトヨ?? 神八耳命は台与(豊)
饒速日(ニギハヤヒ)は台与①~稲作 台与は饒速日②~交野市倉治
小楯姫は台与:小楯は枚方 四道将軍:日子坐王は台与!
少彦名大神(スクナヒコ)は台与! 大彦は台与!??
ウマシマジは台与! 阿蘇都媛は台与
沼河比売は小楯姫=台与 タケミカヅチは台与!!
ヤマトタケルは台与 瓊瓊杵尊:ニニギは台与
継体天皇はトヨ(台与)??! 継体天皇は台与2~大々杼郷:楯原神社
継体天皇は台与3~田井(寝屋川市) 英彦山と台与