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大久米命と黥(いれずみ)

tootake

更新日:2023年11月12日

第148話


この神武天皇の意を受けて、大久米命はイスケヨリヒメに会いに行きます。するとイスケヨリヒメ(五十鈴姫)は、見慣れない風貌の大久米命に驚き尋ねます。

  

阿米都都(あめつつ)、知杼理麻斯登登(ちどりましとと)、那杼佐祁流斗米(などさけるとめ)

「天地 千鳥真鵐など黥ける利目」(大意)あなたはなぜ、いろいろな鳥のように目のまわりに入れ墨をして、鋭い目つきをしているのですか。


これに対し大久米命は次のように答えます。

「袁登賣爾をとめに多陀爾阿波牟登ただにあはむと和加佐祁流斗米わがさけるとめ媛女に 直に逢わんと我が黥ける利目」(大意)あなたのことを直接よくみるために、鋭い目つきをしているのです。

魏志倭人伝には「男子皆黥面文身以其文左右大小別尊之差」と書かれています。

古代の近畿には入れ墨の習俗が存在せず、入れ墨の習俗を有する地域の人々は外来の者として認識されていたとされており、大久米は、九州出身ではないかと推定できます。


日本書紀では、大伴氏の遠祖が、来目部の遠祖である大来目命を率いてにニニギノミコトを先導して天降ったと記されており、久米部は大伴氏の配下にあって軍事的役割を有していたと考えられています。


第146話で、三毛入野命は神武天皇ではないかと書きました。三毛入野命は九州の高千穂に祭られています。ニニギノミコトとともにやって来た久米氏、大伴氏は九州の兵で刺青をしていたと思われます。このプログでは三毛入野は長脛彦です。長脛彦が蝦夷とされた所以は、この刺青だと思われます。


「阿斯波良能(あしはらの)志祁志岐袁夜邇(しねしきをやに)須賀多多美(すかたたみ)伊夜佐夜斯岐弖(いやさやしきて)和賀布多理泥斯(わかふたりねし)葦原の穢しき小屋に 菅畳いや清敷きて我が二人寝し」

(大意)河原の草むらにあるむさ苦しい小屋にスゲの畳をきれいに敷いて、二人で寝た。


このあと、五十鈴(イスケヨリヒメ)は嫁入りを承諾します。神武天皇(このプログでは、崇神天皇=ミ・マキ・イリヒコ)は「佐韋河(さいがわ)の上」にある五十鈴の家に行って泊まったそうです。


佐韋河は狭井川とされ、三輪山の麓を流れる川とされていますが、私は茨木市、摂津市を流れる安威川(あいがわ)だと思います。サイはsaiで、aiに音が通じます。なお開化天皇(大彦?)の春日の率川(いさかわ)とされていますが、茨木市の春日の安威川だと思います。

いさかわはisa川でsaiつまりサとイをひっくり返しただけです。


※これまでの記事はこちらです。

※このプログは、御牧国(ミマキ国)が邪馬台国であるという前提の上で書いています。今までのところ矛盾なくここまて書き続けています。


安威川(大阪府摂津市付近)


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秀丸 遠嶽
秀丸 遠嶽
Nov 14, 2023
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蝦夷 ~エビス(恵比寿) (hidemaru3375.com)


賀茂別雷神社(上賀茂神社)の祭神であり、各地の加茂神社(賀茂神社・鴨神社)で祀られる。

古事記日本書紀には登場しない。室町時代の『賀茂之本地』では記紀に出てくる阿遅鉏高日子根神と同一視されている。

山城国風土記』逸文には、賀茂別雷命について次のような記述がある。賀茂建角身命賀茂御祖神社の祭神)の娘の玉依姫(同じく賀茂御祖神社の祭神)が石川の瀬見の小川(賀茂川)で遊んでいたところ、川上から丹塗矢が流れてきた。


大伴連狭手彦 おおとものむらじ・さでひこ →幸彦??

生没年 未詳

系譜など 金村の子。新撰姓氏録には大伴連・榎本連の祖とある。万葉には大伴佐提比古郎子とある。

略伝 宣化天皇2年(537年)、新羅の任那侵攻に際し朝鮮半島に派遣され、任那・百済救援に活躍。肥前国松浦郡の娘子(おとめ)との悲恋説話はこの時のもの(肥前国風土記逸文、万葉05/0868~0875)。欽明天皇23年(562年)、大将軍に任命され、兵数万を率い、百済の計略を用いて高句麗を討つ。逃亡した高句麗王の宮に進入し、多くの珍宝・武器などを奪って持ち帰り、七織帳を天皇に献上した。武具並びに捕えた美女媛とその従女は蘇我稲目大臣に送り、稲目はこの二人を納れて妻としたという(書紀の分注には11年とある)。なお861(貞観3)年8月の伴善男の奏言によれば、狭手彦は金村の三男で、宣化天皇の代、新羅を征し、任那を復興し、百済を救けた。欽明天皇の代、高句麗の侵攻を受けた百済救援のため大将軍に任命されて高句麗を討った、という(日本三代実録)。

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秀丸 遠嶽
秀丸 遠嶽
Nov 14, 2023
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秀丸 遠嶽
秀丸 遠嶽
Nov 14, 2023
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