第132話~邪馬台国異聞7
仁徳天皇は5世紀前半の天皇です。父は応神天皇,母は仲姫。実名は大鷦鷯尊(おおさざき)。古事記では大雀、日本書紀では大鷦鷯です。異母弟の菟道稚郎子(うじのわきいらつこ) と天皇を譲り合い、長幼の序を重んじる道稚郎子が自殺したので,ようやく即位を決意したと言われています。陵は和泉国大鳥郡(堺市,高石市)にある世界最大級の墳墓とされる百舌鳥耳原中陵(大山古墳)とされていますが、年代的には合致しないことから学術的には否定されています。
人民の家々から炊飯の煙が立ちのぼらないのを見て課役を免じ、みずからに倹約と耐乏を課したとか、他方で、皇后磐之媛の目をぬすんで異母妹八田皇女のもとに通い、皇后の妬心をいたく刺激し、ついには彼女を憤死せしめたという伝承もあります。聖帝として描かれているのは、仁徳の玄孫に当たる武烈天皇の代で仁徳の王統が途絶えたので、武烈天皇を暴君とし、それとの対応関係により,王朝の開祖=聖帝と構想されたためなのです。
仁徳天皇も系譜の上で作り出されたものなのです。そもそも、古代の天皇の名は初代から継体天皇までの名は、すべて奈良時代の淡海三船(おうみ の みふね)によって命名されたものです。孝霊、孝元、開化、崇神などの名前は本人が生きていた時には、存在していません。
記紀では、応神天皇が崩じたが、郎子は即位せず、大鷦鷯尊と互いに皇位を譲り合った。郎子は菟道宮に住まい、大鷦鷯尊と皇位を譲り合うこと3年に及んだ。永らくの空位が天下の煩いになると思い悩んだ郎子は互譲に決着を期すべく、自ら果てた。尊は驚き悲しんで、難波から菟道宮に至り、遺体に招魂の術を施したところ、郎子は蘇生して妹の八田皇女を後宮に納れるよう遺言をし、再び薨じたという。これは日本書紀にのみ記載された説話で、古事記では単に夭折と記されています。とても信じられる内容ではありません。
6世紀初頭に新たに王権を継承した継体天皇がみずからの正当性を主張するために、5世紀に実在した武烈(ワカサザキ:ワカタケル大王の子)の名前からヒントを得てオオサザキなる王が案出されたのです。
ところで、枚方市禁野に御狩野神社があります。祭神は大鷦鷯尊です。第129話(邪馬台国異聞4)で菟道稚郎子は御牧入彦と書きました。大鷦鷯尊も御牧入彦(ミ・マキ・イリヒコ:崇神天皇)だと思います。記紀の作者たちは、つなぎのための天皇を創作するために残っている資料を使いまわしにしたのです。比較的資料が豊富に残っていたミ・マキ・イリヒコこと菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)の逸話を応神、仁徳の資料として転用したと思われます。
以下は印南さんのページより引用https://enkieden.exblog.jp/20953999/
志賀 剛著「神名の語源辞典」によると、アイヌ語の「インカラウシュ」は「インカラ」=見る、「ウシュ」=場所で、「見晴らしの良い丘」と言う意味です。
言葉の訛りは、インカラウシュ→イガラシ・イカラシ→イカナシ→イカマシ→
イコマ・イクマ→イカガシ→イカガ→イカグ→カグなどです。
御牧入彦の育った場所は大阪府枚方市伊加賀で、淀川を前にして「見晴らしの良い場所」になっています。御牧入彦(ミ・マキ・イリヒコ:崇神天皇)の母イカガシコメの邸宅があったとされる万年寺山からの眺めも素晴らしいものです。「カグ」が「見晴らしの良い丘」であるなら、天香久山はここかもしれません。
※このプログは、御牧国(ミマキ国)が邪馬台国であるという前提の上で書いています。
今までのところ矛盾なくここまて書き続けています。ミマキ国は、茨木、高槻、枚方、交野です。
※これまでの記事はこちらです。
御狩野神社 枚方市禁野本町2-7-41
稲荷山古墳出土鉄剣(いなりやまこふんしゅつどてっけん)は、1968年に埼玉県行田市の埼玉古墳群の稲荷山古墳から出土した鉄剣。1983年に同古墳から出土した他の副葬品とともに国宝に指定された。「金錯銘鉄剣(きんさくめいてっけん)」とも称される(「金錯」は「金象嵌(きんぞうがん)」の意味)。
漢字六書の仮借から銘文の漢字一字を読み一字とした場合、書かれている文字に読点を打って解釈すると、
「辛亥の年七月中、記す[2]。ヲワケの臣。上祖、名はオホヒコ。其の児、(名は)タカリのスクネ。其の児、名はテヨカリワケ。其の児、名はタカヒシ(タカハシ)ワケ。其の児、名はタサキワケ。其の児、名はハテヒ。(以上は表面)」
「其の児、名はカサヒヨ[3](カサハラ[4])。其の児、名はヲワケの臣。世々、杖刀人[5]の首と為り、奉事し来り今に至る。ワカタケル(『カク、ワク』+『カ、クワ』+『タ』+『ケ、キ、シ』+『ル、ロ』)の大王の寺[6]、シキの宮に在る時、吾[7]、天下を左治し、此の百練の利刀を作らしめ、吾が奉事の根原を記す也。(以上は裏面)」
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:タケハニヤスの乱2 ~阿太(奈良県五條市)
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:タケハニヤスの乱4~大彦は、綏靖天皇
:タケハニヤスの乱最終章