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イタケルは台与(4)~伊都国

  • tootake
  • 3 時間前
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第739話 #高礒比咩神 #高祖神社 #一大卒


伊都国(いとこく)は、魏志倭人伝にみえる倭国の国の一つです。末廬国から陸を東南に500里進んだ地に所在するとされ、大和時代の伊覩縣(いとのあがた)、多くの研究者は現在の福岡県糸島市の一部と福岡市西区の一部(旧怡土郡)に比定されています。


魏志倭人伝には、「東南陸行五百里 至伊都國。官曰爾支 副曰泄謨觚・柄渠觚。有千余戸 丗有王 皆統属女王國。郡使往来常所駐」(「三国志魏書、巻三十、東夷伝、倭人(略称、魏志倭人伝)」)

「(末廬國から)東南へ陸を500里行くと、伊都國に到る。そこの長官を爾支(にし、じき)といい、副官は泄謨觚(せつもこ、せつぼこ、せもこ)・柄渠觚(ひょうごこ、へいきょこ、へくこ)という。1000余戸の家がある。代々の王が居た。みな女王国に従属している。帯方郡(たいほうぐん)の使者が往来して、足を止める所である。」とあります。


私も魏志倭人伝のいう伊都国は、福岡県の旧怡土郡で間違いないと思います。しかし、伊都郡は、和歌山県にもあります。→〒649-7199和歌山県伊都郡かつらぎ町

そして和歌山県は、前回書いたように、五十猛と関連のある地です。


五十猛は、イタケル、伊太祁曽(イタキソ)、イトテなどとも呼ばれていますが、イトテの「イト」は「イト国」の「イト」ではないかと思われます。


「伊都国に着く。代々王がいるが、みな女王国に属している。帯方郡使が来るときは必ずここに滞在する。」、また「女王国より北には、一大率(邪馬台国から派遣された軍の総司令官的な役職)という指令官を置いて、諸国を監視させている。諸国は指令官を大変恐れけむたがっている。一大率は伊都国にいる。」と記載されています。


福岡県糸島市の高祖山の麓には高祖神社( たかすじんじゃ)があります。この神社には、五十迹手(イトテ)伝承があります。この神社は怡土県主(イト・あがたぬし)を祀る神社です。福岡県神社誌によれば、怡土県(いとのあがた)の鎮土の社として上代から鎮座していて、怡土県主(いとのあがたぬし)の崇敬が厚かったことがはっきりしています。

 

高祖神社(たかすじんじゃ)の祭神は、主座:彦火々出見命、左座:玉依姫命

右座:息長足姫命 (神功皇后)ですが、日本三代実録では、「高礒比咩神(高磯比咩神)」に比定されています。一説には、新羅渡来のアメノヒボコ(天日槍/天之日矛)伝説と関連づけられ、特に高礒比咩神はその妻神に比定されており、その根拠として、長野宇美八幡宮(糸島市川付)の社伝に関連伝承が見えるほか、筑前国風土記』:逸文]は怡土県主祖の五十迹手は日桙の末裔と見える点、、筑陽記では高祖を怡土県主の本貫地とする所伝が見える点、日本書紀]の渡来系伝承で「伊都都比古(イツツヒコ)*」という人物名が見える点と関連づけられています。


高礒比咩神(たかいそひめ姫)の高は敬称ですので、イソ(磯)姫ということです。

イソタケル(五十猛=イタケル)のイソ(磯)です。高礒比咩神=五十猛=台与です。

伊都々比古(イツツ彦)の「イツツ」は「五つ」ですから、イツツヒコ=イトテ(五十猛)です。アメノヒボコ=ツヌガアラシヒトはウツシコオです。

第325話:天之日矛はウツシコオ 第329話:アメノヒボコはウツシコオ

やはりツヌガアラシヒトとイツツヒコは、台与とウツシコオのコンビです。


また別説として、和名抄では筑前国怡土郡に託杜郷(たこそ・ごう、託社郷)が見えるほか、筑前国嶋郡川辺里戸籍断簡や東大寺文書では当地で宅蘇氏(たくそ・うじ)一族の居住が知られ、現在残る棟札にも「詫祖大菩薩」の記載が見えることから、これらと「高祖」・「高礒(高磯)」が関連づけられています。

宅蘇(たくそう)は「たか・いそ」がなまったものでしょう。宅蘇=高磯で高礒比咩神(たかいそひめ姫)=台与です。

また、戸籍断簡には「宅蘇吉志」として新羅官位由来の姓である吉士(吉志)を称しています。吉士(吉志)=吉師氏は、大阪府吹田市に本拠を持つ豪族で、吹田駅の一つ京都よりに「岸部:きしべ」とう地名が残っています。岸部駅北西の吉志部神社がありることはすでに述べています。吉士(吉志)=吉師氏は阿部氏です。~第196話:阿部(安部)氏~岸辺(吹田市) 第654話:卑弥呼の残像:元伊勢(1)~吉志部神社(吹田市)


では、下記のように書きました。


孫栄健氏は「邪馬台国の全解決」の中(p243~p284)で伊都国について詳しく説明されておられます。伊都国王は最大の権力者、一大卒、卑弥呼の男弟、倭王は同一人物である断定しておられます。これは私の説とほとんど同じです。卑弥呼(ウツシコメ)の弟=ウツシコオ(内色許男命)で、孝元天皇(饒速日)の宰相、当時の倭王は孝元天皇(饒速日)、一大卒は饒速日(五十猛)です。*最近のこのブログでは、孝元天皇=饒速日=台与としています。


筑前国風土記逸文では、「五十迹手(いとで)奏ししく、高麗の国の意呂山に、天より降り来し日桙の苗裔、五十迹手是なり。」「天皇、即ち五十迹手を美めたまいて伊蘇志(いそし)と曰う。故れ、時の人五十迹手が本土を号けて伊蘇(いそ)国と曰う。伊覩(いと)と謂うは訛れるなり」と紹介されているように、天日槍の子孫が伊蘇国と名づけ、それが訛って、伊都国になったといいます。


旧怡土郡は大化の改新以前は伊覩縣(いとのあがた)が置かれ、日本書紀によるとその祖の名は五十迹手(いとて)とされています。


このブログでは女王国の卑弥呼と狗奴国のウツシコオ(内色許男命)スサノオ(津田の王との戦いがあり、卑弥呼は殺されます。第366話狗奴国と女王国

女王国の卑弥呼が亡くなった後に、邪馬台国(ヤマト)の大王(おおきみ)に即した台与は、実質上、一大卒の職務を引き継いだため、伊都国の王ともなり、イトテとされ敬われたのでしょう。


高祖神社は彦火々出見命(皇室祖先)を祀ることから「高祖」と名付けられたとする説(九州軍記)や、「タラシ」の音から息長足姫命(神功皇后)を高礒比咩神に比定する説もあります。彦火々出見命(ヒコホホデミ)も息長足姫命(オキナガタラシ姫)も台与です。

私は、高祖神社の「たかす」は、宅蘇(たくそう)=「高磯:たかいそ」=高礒比咩神(たかいそひめ姫)=台与だと思います。



<五十猛にかんするこれまでの記事>

第334話: 大彦は、五十猛! 第288話:五十猛と五瀬命  

 


※これまでの記事はこちらです。


※このブログは、御牧国(ミマキ国)が邪馬台国であるという前提の上で書いています。

・ミマキ国は、守口、寝屋川、茨木、吹田、高槻、枚方、交野です。

※このブログでは、魏志倭人伝:古事記・日本書紀の登場人物は三人だけとしています。

 ~古事記、日本書紀の作者(編纂者ではない)たちも魏志倭人伝しか資料がなかったのです。

記紀の登場人物をスサノオ(津田の王ウツシコオ(内色許男命)=難升米、卑弥呼=天照大神、台与(豊)に当てはめる作業をしているのです。

※台与とウツシコオのコンビとは、以下です。前者が台与です。

神武天皇と八咫烏、フツヌシとタケミカズチ、神功皇后 武内宿祢、応神天皇と武内宿祢、

アメノウズメと猿田彦、ニギハヤヒ(饒速日)とナガスネヒコ(長髄彦)

聖徳太子と蘇我馬子・秦河勝、五十猛(イタケル)とスサノオ(素戔嗚)

・今までのところ矛盾なくここまて書き続けています。矛盾している箇所があれば、その矛盾点をヒントとして次の記事としています。 


<目次>



臺與(とよ)台与のイメージ


 
 
 

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tootake
3時間前
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