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壺阪寺と台与

  • tootake
  • 5 時間前
  • 読了時間: 5分

第796話


南法華寺(みなみほっけじ)は、奈良県高市郡高取町壺阪にあります。一般には壺阪寺(つぼさかでら)の通称で知られる西国三十三所第6番札所です。


草創については、寺蔵の南法花寺古老伝によれば大宝3年(703年)に元興寺の弁基上人がこの山で修行していたところ、愛用の水晶の壺を坂の上の庵に納め、感得した観音像を刻んで祀ったのが当寺の始まりであるといいます。本尊の十一面千手観世音菩薩は眼病封じの観音様として親しまれ眼病に霊験があるといわれ、お里・沢市の夫婦愛をうたった人形浄瑠璃「壺坂霊験記」の舞台として有名です。


壺阪寺には、もうひとつの壺坂霊験記として、親孝行の姫が大蛇とともに昇天する「さよ姫伝説」も伝承されています。


松浦佐用姫(まつらさよひめ)は、現在の唐津市厳木町にいたとされる豪族の娘で、弁財天のモデルともいわれています。ほぼ同時代の別の伝承、肥前国風土記では弟日姫子(おとひひめこ)*と呼ばれています。


説経節『松浦長者』は、仏教的救済と女性の献身を描いた物語で、説経節の中でも特にドラマ性と宗教性が際立つ作品です。以下にそのあらすじと主題をまとめます。

📜 あらすじ概要

  • 主人公はさよ姫。彼女は大和国壺坂の松浦長者が長谷観音に祈って授かった娘です。

  • 長者が亡くなった後、さよ姫は父の供養のために身を売って陸奥国安達郡の地頭「こんかの太夫」に伴われて在所へ下ります。

  • その地では、池に棲む大蛇への生贄として捧げられる運命にあります。

  • さよ姫は池中の贄棚に上り、法華経を読誦することで大蛇を改悛させます。

  • 大蛇は姫を頭に載せて大和国へ送り届け、姫は都で栄え、松浦長者として名を馳せます。

  • 最終的に、さよ姫は竹生島の弁財天として現れるという本地物語の構造を持ちます。

🧠 主題と象徴性

  • 仏教的救済:法華経の功徳によって悪しき存在(大蛇)が改心し、姫が救われる展開は、説経節に典型的な仏教的教訓を表しています。

  • 女性の献身と徳:父の供養のために身を犠牲にするさよ姫の姿は、当時の倫理観や女性像を反映しています。

  • 本地垂迹思想:さよ姫が最終的に弁財天として顕現することで、神仏習合の思想が物語に組み込まれています。

  • 語り物としての構造:六段構成で、浄瑠璃形式を取りつつも、古い説経の面影を残している点が注目されます。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

・松浦佐用姫の松浦とは、魏志倭人伝のいう末盧國(まつらこく)ことでしょう。現在の佐賀県唐津市周辺に比定されています。松浦長者とは、ウツシコオ(内色許男命)スサノオ(津田の王=馬子のことでしょう。第471話:秦大津父と平原広沢では、次のように書いています。

鴨王=弟磯城:オトシキ=ウツシコオ(内色許男命)スサノオ(津田の王は、饒速日七世孫の大賈布(大売布;饒速日七世孫)とされています。出典:師木県主 – 國學院大學 古典文化学事業 (kokugakuin.ac.jp)

大賈(たいこ)とは「大商人、富裕な商人、豪商」という意味です。

つまり、秦大津父は大商人、富裕な商人、豪商であることから、ウツシコオ(内色許男命)スサノオ(津田の王長者とされています。

・佐用姫の佐用とは、第535話:佐比の岡~兵庫県太子町で書いたように太子町佐用岡(さよおか)のことではないでしょうか。この地は聖徳太子=台与とゆかりの深いところです。

・池に棲む大蛇とは、ヤマタノオロチをおもわせます。ヤマタノオロチは川の氾濫のことです。~第412話:ヤマタノオロチは淀川~茨田堤2

・竹生島の弁財天とは、第705話:竹生島神社・宝厳寺 ~琵琶湖で書いたように台与です。

*弟日姫子(おとひひめこ)とは台与のことです。

 ~第501話:乙姫・弟姫・弟彦・乙彦


壷阪寺は、承元5年(1211年)に大門、僧房の罹災を始め、数度の火災にあい、戦国時代には戦乱に巻き込まれています。当寺を庇護していた越智氏の滅亡と共に衰退し、残ったのは室町時代の礼堂と三重塔くらいです。


越智氏については、第778話:邪馬台国の水軍(5):小千御子 では、「小千御子(おちのみこ)の「おち」は越智氏の「おち」の名前の由来となった人物です。この小千御子も台与ではないかと思います。」と書いています。


※これらのことにより、壷阪寺も台与と深い関係があると思われます。松浦=末盧國と台与の関係については、これから調べていきます。


このブログを書いているうちに、台与の足跡をたどっているうちに、西国三十三番と重なる場所が増えてきました。

第一番  青岸渡寺→第543話:熊野の神々は、、、    

第二番  金剛宝寺(紀三井寺) →名草(和歌山市)第590話:彦狭知(ヒコサチ)の物語2~珍彦(ウズヒコ)

第三番 粉河寺第 768話:長髄彦と粉河寺~那賀郡

第五番 藤井寺 → 第794話:葛井寺と王辰爾

第七番 岡寺 →  第795話:岡寺と台与(豊)

第八番  長谷寺 → 第666話:元伊勢(13)~長谷寺・與喜天満宮

第九番  南円堂 → 第793話:空海(6):虚空菩薩

第十番  三室戸寺 → 第723話:三室戸寺~宇治(莵道)

第十八番  六角堂(頂法寺)→第519話:六角堂と平安京

第二十四番 中山寺→第706話:中山寺・清荒神・売布神社~宝塚市

第三十番   宝厳寺(竹生島)→第705話:竹生島神社・宝厳寺 ~琵琶湖

番外 元慶寺(山科)→第720話:毘沙門堂~京都市山科


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4件のコメント

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tootake
17分前
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太陽は東から昇り、西に沈む。日中は太陽の光が降り注ぐが、夜に太陽の光が降り注ぐことはない。日中だとしても太陽の動きに応じて陰が生まれ、その陰に太陽の光が降り注ぐことはない。しかし、大日如来の光明は昼夜、陰日向(かげひなた)関係なく、常に万物を照らしている。このことから大日如来は太陽神を超えるとされる。

大日如来の光明が行き届いていないところはこの宇宙に存在しない。日の光が全く当たらない日陰だとしても大日如来の光明が常に降り注いでいる。それが「大日」という名の由来になっている。

【保存版】大日如来とは|空海が完成させた真言密教の根源仏を解説 - 金運大全®

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tootake
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tootake
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tootake
5時間前
5つ星のうち5と評価されています。

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