卑弥呼と銅鐸(3):邪馬台国と鹿
- tootake
- 9月12日
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更新日:9月12日
第803話
絵画銅鐸に描かれた動物の中で最も多いのは「鹿」ですが、それは狩猟対象というより農耕祭祀の象徴として登場しています。鹿と稲作の関係を播磨国風土記の呪術的記述と照らして深掘りしてみましょう。
両者とも、鹿と人物の関係性が重要な主題であり、播磨国風土記の鹿血の籾種伝承との接点も見逃せません。播磨国風土記に記された「鹿血の籾種伝承」は、農耕儀礼と神話的象徴が交差する非常に興味深いエピソードです。以下にその概要と象徴的意味を整理してみます。
🦌 鹿血の籾種伝承の内容(讃容郡の条)
『播磨国風土記』讃容郡(現在の兵庫県佐用町周辺)の地名由来譚に登場する伝承です:
玉津日女命(たまつひめのみこと)*という神が、国占めの競争の中で生きた鹿を捕らえ、その腹を割いて血を取り出す。
その鹿の血に籾種(稲の種)を浸して田に播くと、一夜にして苗が生えた。
それを収穫して植え広げたことで、大神が「五月夜(さよ)に殖ゑつるかも」と言い、神は他所へ去った。
このことから地名「讃容(さよ)」が生まれ、神は「賛用都日賣命(さよつひめのみこと)」と呼ばれるようになった。
🌾 象徴と解釈
この伝承は、単なる地名由来譚にとどまらず、以下のような象徴的・儀礼的意味を持つと考えられています:
1. 血と生命の媒介
鹿の血は「生命の液体」として、稲の発芽を促す力を持つとされる。
血を媒介にすることで、稲作が神聖な行為として位置づけられる。
2. 供犠と農耕儀礼の融合
鹿の犠牲は、東南アジアの水牛供犠などと類似し、稲作開始の儀礼的起源を示唆する可能性がある。
3. 地名と神格の生成
地名「讃容(さよ)」は、神の行為と季節(五月夜)に由来し、神名もその行為に基づいて変化する。
第796話:壺阪寺と台与では、壺阪寺には、もうひとつの壺坂霊験記として、親孝行の姫が大蛇とともに昇天する「さよ姫伝説」も伝承されています。賛用都日賣命(さよつひめ)は、松浦佐用姫(まつらさよひめ)=台与と思われます。
・佐用姫の佐用とは、第535話:佐比の岡~兵庫県太子町で書いたように太子町佐用岡(さよおか)のことではないでしょうか。この地は聖徳太子=台与とゆかりの深いところです。
第557話:御頭祭:鹿と神社では、諏訪大社の御頭祭(おんとうさい)のことを書きました。この行事では、鹿の首75頭をはじめ猪の首や魚、雉、兎などを生贄として供えます。
・このブログでは、鹿(角)はスサノオ=ウツシコオ(内色許男命)のキーワードとしてきました。~第388話:スサノオのキーワードは角と竹と、、
・奈良公園の鹿は春日大社の神の使いです。
・宮城県石巻市の牡鹿半島東南端に相対する太平洋上の孤島にある金華山でも、多数の鹿が生息しています。金華山は、日本で初めて金が採れた場所だそうで、金華山には黄金山神社(こがねやま)があり、神の使いとして鹿が保護されています。~第476話: 金華山と百済王敬福
・栃木県宇都宮市の宇都宮明神はかつて猿丸社とも呼ばれていました。
女体権現が鹿の姿となって小野にいた弓の名手である小野猿丸を呼び寄せ、その加勢によりこの戦いに勝利したという話があります。この社に狩人が獲物の鹿の首を祭の供え物として奉納していたということです。~第378話:猿丸幻想(3)~宇都宮は兎の都
・志賀海神社の境内には鹿角堂(ろっかくどう)があり、1万本以上ともいわれる多くの鹿の角が奉納されています。~第413話:藤森神社と志賀海神社 第364話:君が代(1)~志賀海神社
・茨城鹿島市にある鹿島神宮(かしまじんぐう)でも鹿は神の使いです。
・志賀海神社の志賀は鹿のことでしょう。志賀海神社のあは志賀島とは鹿島(しかの島)です。志賀島は博多湾の入口に位置し、大陸との玄関口として古代から重要視されていました。
※松浦佐用姫の松浦が末盧國とすれば、志賀島=鹿と結びつきます。
• 松浦國もまた、壱岐・対馬を経由して朝鮮半島と倭国を結ぶルート上にあり、志賀島と松浦は海上交通の中継点として機能していた可能性が高いです。
2. 外交・交易ネットワークの一部
• 志賀島から出土した「漢委奴国王」金印は、奴国との関係を示すものですが、松浦國も魏使の上陸地として記録されていることから、外交ルート上の重要拠点だったと考えられます。
• 両者は魏との交流に関与した海人系の勢力として、互いに情報や物資をやり取りしていた可能性があります。
※古代は多くの神社で諏訪大社と同様に殺したばかりの鹿、猪、魚、雉、兎を供えていたのだと思います。台与と素戔嗚は稲作を日本全土に広めていったのですが、縄文人の行っていた狩猟を再現することで、縄文時代と惜別したのでしょう。
*玉津日女命が卑弥呼であるかもしれません。和歌山県和歌山市にある玉津島神社では、稚日女尊、神功皇后、衣通姫を祀っています。~第398話:衣通姫(そとおりひめ)
<銅鐸シリーズ>
これまでの記事はこちらです。
※このブログは、御牧国(ミマキ国)が邪馬台国であるという前提の上で書いています。
・ミマキ国は、守口、寝屋川、茨木、吹田、高槻、枚方、交野です。
※このブログでは、魏志倭人伝:古事記・日本書紀の登場人物は三人だけとしています。
~古事記、日本書紀の作者(編纂者ではない)たちも魏志倭人伝しか資料がなかったのです。
記紀の登場人物をスサノオ(津田の王)=ウツシコオ(内色許男命)=難升米、卑弥呼=天照大神、台与(豊)に当てはめる作業をしているのです。
※台与とウツシコオのコンビとは、以下です。前者が台与です。
神武天皇と八咫烏、フツヌシとタケミカズチ、神功皇后 武内宿祢、応神天皇と武内宿祢、
アメノウズメと猿田彦、ニギハヤヒ(饒速日)とナガスネヒコ(長髄彦)
聖徳太子と蘇我馬子・秦河勝、五十猛(イタケル)とスサノオ(素戔嗚)
※台与(豊)は魏志倭人伝に書かれいる13歳で邪馬台国の大王(天皇)に即位した人物のことです。
※ウツシコオは魏志倭人伝に書かれている難升米のことです。
・今までのところ矛盾なくここまて書き続けています。矛盾している箇所があれば、その矛盾点をヒントとして次の記事としています。
<目次>
銅鐸に描かれた鹿の絵




多田銀銅山 - Wikipedia
宇奈提は現在は雲梯町(うなて)で奈良県橿原市雲梯町には高市御縣坐鴨事代主神社:河俣神社があります。第248話
事代主命の魂を宇奈提(うなて)に祀り賀夜奈流美命の魂を飛鳥の神奈備に祀って皇孫の守護神といたしましょうと申して、杵築宮(出雲大社)に鎮まりました。」
第270話:銅鐸・銅剣は廃棄物
<台与シリーズ>
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